とある世界管理者の日記
ボクは今日、驚くべき人間と出会った。その人間は部下である天使の剣を借り宇宙船の外に出た。
人間は徐ろに剣を構え、一閃。
その瞬間、言語で数えることが困難な程に増殖したパラレルワールドを消し去った。
ボクは自分の感覚を疑った。
パラレルワールドを消し去った事もそうだけど、一番驚いたのはその斬撃だよ。
何も感じなかった。魔力も霊力も何も無かった。
考えるに、そう。あれは技術のみで放たれた一閃だと思う。
この考えが本当ならこの人間は、何億、いや何兆、それ以上の数は言語で分からないけど、とにかく沢山の数の世界を何の力も使わずに消し去った事になる。
いや、斬り伏せた。
ボクは意味がわからない。
驚いた事はこれだけじゃない。
人間の瞳が光り輝いたと同時に、パラレルワールドの無限増殖が止まった。
ボクはこの光に膨大な魔力を感じた。魔法の一種だと思う。
これは見た瞬間にすぐ理解が出来た。
人間はその魔法を使い世界の真理に到達して時間軸を作り上げた。
ボクの世界だから、あの人間の魔法が侵入してきた事は感覚で分かったよ。
でもボクはあの人間を制御できない。
ボクの世界なのにボクが制御できないんだ。なぜなら魔力があまりに強すぎるから。
魔力だけじゃない、あの瞳に刻まれた超極度な術式はボクの理解をも超えていた。
怖い気配の正体は恐らくあの人間が内包する強大な魔力のせいだと思う。
神と天使を従える人間。
技量、魔法、全ての理を超越した人間。
ボクはこの人間、いや、あのお方の軍門に下った自分の判断を嬉しく思う。
ボクが無我夢中に助けを求めたあの行動は世界管理者としては情けない姿かもしれない。
でも、間違っていなかったと確信したよ。




