第1部 転生のアメリカ編 VOL25「ストリップに気をつけろ!!」(1990年)
ー転生のアメリカ編 VOL25ー
「ストリップに気をつけろ!!」
ニューオーリンズ 1990年3月
ー前回からの続きー
ライブハウス、Tシャツを売る店、
レストランなどに混じって
ひときわアヤシイ店が数軒ある。
表にボトムレス、トップレスなどという
サインが掲げられている。
ミナミ(難波、心斎橋周辺)で
「ノゾキ部屋」というものと、
芦原温泉でストリップとに1回ずつ
グループで行った以外は風俗店には
行ったことがない。
「地球の歩き方」によると
高くないけど期待するな、とのことである。
よおーし、いっぺん行ってみるかあ!
アヤシイ店に潜入。
いかにも金にウルサそうなおばちゃんに
案内されてカウンターのド真ん中に座る。
客はほとんどいない。
ウルサイ音楽が鳴っている。
カウンターの真正面にそれと同じ高さで
横に長いステージがあって
その両端には天井との間に銀色のポールが
設置されている。
映画とかではこのポールに
裸のオンナがまとわりついて
クルクル回ったり、踊ったりしていたぞ。
おおっ!コレや、コレ!
しかあーーし、
踊っているオンナを見てビックリ!!
コ、コレはっ!!
まさかのジョーダンみたいな超肥満体!
み、見苦しいーーっ!信じられへん!
映画みたいに金髪の美しいオネーサンを
イメージしていたのに
なんで100キロどころじゃない
オデブちゃんがにっこり微笑んで
おなかやオッパイをぶるんぶるんさせて
踊っているのだあーーーっ!
俺はドッキリ番組にハメられてるんやろか?
ショックで呆然としている俺に
オーナーらしきさっきのおばちゃんが
注文を訊いてくる。
「お、俺帰る、、、、。」
と言いかけたがそれは無理みたいなので
仕方なくジントニックを頼む。4ドル。
でもおばちゃんは
大阪の商売おばちゃんのようなノリで
「チップはあ?チップちょーだいよお。」
と言う。
こ、こんなものにチップを払わされるのか!
く、屈辱のチップ!!
結局2ドルくらい払う。
そのオデブちゃんストリッパーは
すぐにステージの端から引っ込み、
反対側から別のオンナが現れた。
よ、よおーーーし!
さっきのはきっとなにかのマチガイだっ。
そう今からが本番なのだ。
そうに違いない。
そうに決まっているっ。
しかあーーし、
出てきたオンナを見てまたビックリ!!
まるでさっきのオンナと姉妹みたいな
超肥満体ダンサーが登場!!
う、うそ、、、、。
アタマがクラクラする。
その時、横から耳元にアヤシク
話しかけてくる声が。
「ねーえ、プライベートダンスはどお?」
魅惑的な笑顔でヒソヒソッと囁いてきた
そのオンナは店の奥のカーテンの方を
チラッと見る。
カーテンの向こうの狭いスペースに
小さいテーブルとその前にソファが
置いてある。
個室のソファに座って目の前のテーブルの
上でストリップをしてくれるみたいだ。
「”You” will dance?」
「Yes.」
かなりココロが揺らいだけど、
これはきっとボッタクリに違いない。
上だけ脱いでちょっと踊って
50ドルくらい請求してくるんやろきっと。
惜しいなーと後ろ髪を引かれながら断って
店を出ることにする。
オデブちゃん2号はまだ陽気に
ぶるんぶるん踊っている。
彼女は店を出ていく俺に愛想よく
手を振ってくるのであった。
はああーーーーっ、、、、、。
外に出るけどなんかナットクいかない。
そっか。
期待するな、って本に書いてたなー。
でもそれにしてもアレはヒドすぎる!
、、、、もう1軒行こう!
別の店に入るとまたジントニックを頼む。
4ドル。
そしてチップ。
そして!
、、、、出てきたストリッパーは
まさかのオデブちゃん3号だった。
お、恐るべしニューオーリンズ!!