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第1部 転生のアメリカ編 VOL20「地球の断面図を観る」 (1990年)

ー転生のアメリカ編 VOL20ー

「地球の断面図を観る」

グランドキャニオン 1990年3月


ー前回からの続きー


目の前に拡がるその圧倒的な風景を

信じられない想いで観る。

「こ、これかあ!」

うっひゃああーっ!!スゴイ!!

向こうの方に見える崖まで何キロか、

何十キロあるのか、見当がつかない。

その表面には黒っぽい茶色、赤茶色、茶色、

黄土色、山吹色、緑、深緑、紫、紺色などの

色の地層が見事にくっきりと

「巨大バームクーヘン」のように

浮き出ている。


何億年もの間、コロラド川などによる侵食、

そして風化、隆起、沈下などの影響を

受け続けて創り上げられた

幅6.5〜29キロ、深さ1.6キロに及ぶ峡谷は

まさに大自然の傑作芸術作品である。

「コレ」が小学生の時に習った

地層というやつかあ。

地球の表面をブッタ斬った

断面図のようでもある。

ここは360度この神々しい空間に

囲まれているのだ!


恐る恐る柵も何もない崖の端へ

慎重に歩み寄る。

(行く区域によっては柵がある。

数年後に2度目、そしてさらに3度目に

行ったところにはあった)

下を覗いて慌てて思わず後ずさる。

キ、キケンだっ!

今度は地面に伏せてそおっと這ってゆく。

崖から顔だけ出して下を見て

思わず日本語で叫ぶ。

「うわああっ!!ごおおっついなああ!!」

子どもの頃に見た

ライダーキックを受けたショッカーの怪人が

「ぎゃああああっ!」

と崖から落ちていって、

ばぼおおおおおん!と爆発するシーンが

脳裏に蘇る。

誰や!「グランドキャニオンって

トージンボーを大きくしたみたいなもんやろ?」

とか言うとったヤツはあ?

アホかあ!スケールが7ケタ違うっちゅうねん!

それくらいのド迫力なのだ!!

後ろでアメリカ人も日本人も皆が、

這いつくばって崖下を覗き込む俺を見て

くすくす笑っている。

おまえらもオトナの顔してスマシてないで

こうやって見てみろおー。


土そのままで床のない簡単な木造の建物で、

現在もこの地域に居住する

ネイティブインディアンが出してくれた

バッファローの肉、とうもろこしなどを食べる。

バッファローは固い肉やけどなかなかうまい。

食後は近くに棲みついているリスと遊ぶ。

平和な午後である。

皆から離れ、崖沿いにずうっと歩き廻って

もう1度じっくり壮厳な景観にたたずむ。

陽の照るところと影になるところとでも

色が違って見えるということは、

朝焼け、夕焼けのキャニオンは

いったいどんな表情を見せるのだろうか?

静かだ。

太古の地球と対話するような

あまりに非日常的な神聖な散歩、、、、。


帰路に向かうために再びセスナに乗り込むと

赤ら顔パイロットが陽気に訊いてきた。

「ココが気に入ったかい?」

「いやあ、まったくスゴイねえ!」

俺も陽気に答えた。



ゆっくり時間をかけてもいいヒトは

バスツアーか、若い個人旅行の日本人などを

3、4人集めてレンタカーで行くと

かなり安くなるようだ。

高くてもいいならヘリコプターツアー

(オプションで馬でのハイキングもある)は

かなりイイ!みたいだ。

宿泊施設もあるので朝焼け、夕焼けの

神秘的な?風景を観たいなら

時期によっては早めに予約しよう。

トレイル(小道)を降りて

下のコロラド川までを往復したり

(所要8〜14時間?、水と食料がないと

死活問題かも)、

3日間から2週間!と色々あるボートでの

コロラド川下りツアーに参加したりすると

さらに忘れられない素晴らしい体験が

できるハズだ。

ちなみにセスナは4人乗りだけでなく、

7人乗り、11人乗りなど色々。


この旅の2、3年後、新聞で

「グランドキャニオン観光セスナ墜落!」

の記事を読んでビビッた!!

やはりウワサ通りたまーーーには

落ちるようである。


コワッ!!


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