第1部 転生のアメリカ編 VOL17「サーカスサーカスでコドモに戻る」 (1990年)
ー転生のアメリカ編 VOL17ー
「サーカスサーカスでコドモに戻る」
ラスベガス 1990年3月
ホテル「サーカスサーカス」の3階には
2階のサーカスを見下ろすように
吹き抜けを丸く囲んだ素朴でアナログな
ゲームコーナーがある。
顔にいろんなペイントをしてもらった
親子連れや、ゲームの賞品の1mもある
シロクマのぬいぐるみをカートに乗せて
嬉しそうに運ぶ子どもがいたりして
実に平和な雰囲気だ。
ボールを投げて一列の穴に並べたり、
コインを投げてグラスの上に乗せたりすると
賞品がもらえる微笑ましいものばかり。
片っ端からトライする。
どれも5〜25セント。
特大シロクマのぬいぐるみが賞品のダーツは
1ドルで、壁紙に縦横に20センチ間隔くらいに
並んだ5センチくらいの星マークの
どれかの中に矢が刺さればいい。
5回やったけど「審議」となるような
ビミョおーーーなトライがあった。
結局0.数ミリ!!ズレてアウトだった。
シ、シロクマああーーーっ!
ユニークなのはこんなやつだ。
(当時はまだ日本にはなかったと思うけど
この数年後に似たものを遊園地で見た。)
丸い大きなテーブルがゆっくり回っている。
テーブルの上にたくさんの鍋が
火にかけられてるように表現されている。
2mほど離れた所にある小さなシーソー?に
小さいニワトリのぬいぐるみを乗せて、
50センチほどのハンマーを振り下ろして
シーソーをぶっ叩くと
ニワトリがひゅうーんと飛んでいく。
うまくどれかの鍋の中にスポッと入れば
ニワトリのぬいぐるみ(小)がもらえる。
4つで(大)に交換してくれる。
太ったアメリカオヤジどもが
やけに真剣にあーだこーだ言いながら
ダン!とハンマーを振り下ろすと、
すっとぼけた顔のニワトリが飛んでいく。
見てるともおお〜おかしくてたまらん!
俺はミョーなものに才能があるようで、
おもしろいように連続で成功して
簡単にニワトリ(大)を獲得したら
オヤジどもが集まってきて
「ニイちゃん、やるじゃねえかあ。」
としきりに感心された。
他のゲームでも賞品のぬいぐるみをいくつも
獲得してサブバッグに入りきらなくなって、
ピンクのニワトリが顔だけはみ出した状態で
背負ってると時々すれ違う若い女たちに
クスクス笑われた。
へへっ、えーやろおー。