表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/35

第1部 転生のアメリカ編 VOL1「出発」、2「イナズマヘッド」 (1990年)

アメリカひとり旅が俺のジンセイを変えた!

海外ひとり旅をしたことはありますか?


初めての海外旅行でひとりでアメリカへ。

周りのひとはぜえ〜んいんガイジンっ。

ドキドキっ♥

(あ、いやいや、

現地では俺自身がガイジンなのだ)



「世界はオモロイ」3部作

第1部 転生のアメリカ編

第2部 驚愕のニュージーランド編

第3部 流浪のヨーロッパ編


全部で100エピソードちょいかな?

めっちゃ昔の話やけど、

まだネットもケータイもない状況での

いきあたりばったりな個人旅行や、

外国文化に興味があるひとに

楽しんでもらえたらウレシイです。


1週間おきくらいに2、3話ずつ

連載していこうかなと思っています。



ー渡航歴ー


アメリカ4回、カナダ、

イングランド、スコットランド、

ニュージーランド2回、ドイツ、

オーストリア、イタリア3回、スペイン、

ポルトガル、韓国、ハワイ、グアム。




「プロローグ」


この初めての外国への旅がジンセイを

大きく変えたっ。

高校の体育と保健の非常勤講師、

スイミングクラブのコーチという仕事を経て

プータローになった俺は

ひとりアメリカへと向かった。

帰国後まさか自分がアメリカンバーを

経営することになろうとはっ!!

(※1990年〜2004年営業。

現在は会社員で、

2010年からはイギリス人と作った

セミプロのロックバンドで

インターナショナルバーを中心に

ライヴ活動中。

ハードロックカフェ大阪でも7年間ほど

毎月レギュラー出演してたよ〜。)


最初のアメリカ周遊は

ほお~んまにドキドキしたぜえ。ハァハァ。




ー転生のアメリカ編  VOL1ー

「出発」

大阪〜ロスアンゼルス 1990年3月


27才、、、、。

初めてプータローになった。

将来には何の予定もない。

「とりあえずいっぺん外国へ行ってみよう。

何をするにしても今しかゆったり

海外旅行なんてでけへんやろうし。」

行き先は、、、、簡単に決まった。

「アメリカやっ。」

テレビや映画で見てきた

いろんなアメリカの風景に憧れていた。

ホンモノを体験するんや。

全部自分で計画して、ひとりで行く!

往復の航空券とデルタ社の

スタンバイパスだけを手配した。

あとは行きあたりばったりだ。


スタンバイパスというのは空港で搭乗者全員が

チェックインして、まだ席が空いてたら

乗せてもらえるというもの。

乗れるかどうかはまったくわからない。

乗れなかったらまた別の飛行機でトライする

ということになる。

不確実きわまりないが安い。

デルタの国内線ならどれにでも

60日間何回でも乗れる。

これでたった$400(当時で約6万円)だ。

すいてる時期ならまあいけるやろう

という考えでこれでアメリカを

周遊することにした。

(もう今はこういうパスは存在しないかも?)


地球の歩き方。

同級生に借りたこのガイドブックが

情報源の全てだ。

さあ、どの街に行こか?

スタンバイパスで好きな所へ

好きな期間行ける。

なんという解放感。

今の俺にピッタリのスタイルだ。

ひとり旅は大学時代に400ccのバイクで

紀伊半島を2泊で一周した以外

やったことがない。

1ヶ月ほどでロスアンゼルス、

サンフランシスコ、ラスベガス、

グランドキャニオン、ニューオーリンズ、

ニューヨークを廻ってみようかな。


シンガポール航空で

伊丹空港からロスアンゼルスへ。

(当時まだ関空はない)

民族衣装のきれいなCAにうっとりする。

ひたすら夜を越えて飛んでいく。

何時間経っても、何度窓の外を見ても

真っ暗だ。

夜が明けてもずっと海しかない。

「ホンマにあっちに行ったら

陸地があるんやろか?」

マジでそんなことを考えてしまった。

そして遂に陸地が見えた。

北アメリカ大陸や!


ロスアンゼルス空港ー。

飛行機から降りて、荷物を受け取って

出口に向かってふと気付くと

まわりは全部ガイジンになっていた。

ここで初めて現実を実感して緊張した。

「そーかあ、ここでは俺がガイジンなんや。」

空港を出ると3月でもふわっと吹く風が

大阪と違ってすごくあったかい。

それになんともいえない外国っぽい(?)

匂いがする。

「これがアメリカかあ!!」


俺の外国への強烈な第一印象は

この「匂い」だった。

かつて経験のない本能的な感覚に支配される。

誰ひとり知り合いのいないこの場所で

未知へのひとり旅が今、始まったあー!




ー転生のアメリカ編 VOL2ー

「イナズマヘッド」

ロスアンゼルス 1990年3月


「ヘイ!ミスター!」

身長2m近いヒョロッとした黒人が

軽い調子で叫ぶ。

二グロヘアーで全体をなぜか1cmくらいの

幅のイナズマ模様に剃ってある。

なんというカゲキなヘアスタイルだっ。

あたりを見渡すとさっきまで大勢いたのに

いつのまにかなんと俺ひとりに

なっているではないかっ!

あの恐ろしい人喰い人種は

まさかこの俺に声をかけているのか!?

「ダウンタウンへ行くんだろ?

俺のクルマに乗っていきなっ。」

って言ってるような?

空港からダウンタウンまではある会社の

シャトルバスという乗り合いバンに乗るのが

安くていい、と「地球の歩き方」に書いてた。

「あんなヤツの車に乗ったら殺される、、。」


無視して100mほど先の「歩き方」に

書いてあるチケットブースへ向かう。

「親切な日本人がいるから安心」

と書いてあった。

しかし!!

そこには機嫌の悪そーおな

怖い目をした黒人の女がいた。

「ハ、ハナシと違う〜!」

ガラス越しにマイクで恐る恐る

乗りたいシャトルバスの話をすると、

物凄い早口でまくしたてられて

何を言ってるのかさっぱりわからない。

俺が眉を寄せてわからない顔を

すればするほど彼女の口調はイラついてくる。

「だからその会社はもうつぶれたって

言ってるでしょっ!

あそこへ戻って他の会社のやつで行きなっ!」

とでも言ってたのだろうか?

シャトルバスの会社と運賃を一覧に載せた紙を

窓口のガラスの下の隙間から突きつけられて

しぶしぶ退散する。

いきなり最初からつまづいてすごく不安で、

ちょっぴりもうUターンして

日本に帰りたくなる。

なんて心細いんや。


仕方なく元の場所へ戻ると

3、4台シャトルバスが停まっている。

もらった紙の運賃と見比べていると

さっきのイナズマヘッドが

しつこく声をかけてくる。

なんかもうどーでもよくなってきて

コイツのに乗ろうと決めた。

「どうせ何かに乗らんと

ここから動かれへんねんから。

ビビってても何も解決せえへん。」


イナズマ号に乗ると先客で白人夫婦(?)

が乗っている。

「Hello!」

そうか、乗り合いってこういうことか。

しばらく待って7人くらいで満員になり、

やっと出発。

乗客は全員白人だ。

イナズマヘッドが全員の宿泊する

ホテルの名まえを訊く。

順番に廻っていくのだ。

なぜか走り出してすぐに

彼は車を停めて降りると、

歩行者と何か話して戻ってきた。

ん?なんだ?

今、なんか小銭を渡してたぞ?

5分ほど走ってまた車を停めて

降りて戻ってくると

乗客皆がなんだかブーブー怒り出した。

彼はニガ笑いをしながら謝っている。

なんか「初めて」ということばを

口にしたぞ?

も、もしかして今日が初仕事お?


、、、、そうみたいだった。

彼はド素人で道がわからないのだ。

それからも時々車から降りては

道を訊いているようだ。

それで皆ボヤいてるのかあ。

なんか困った顔をして一生懸命

仕事をしているイナズマヘッドを見てると、

あんなコワそうなヘアスタイルやけど

べつに悪い人ってわけやないんやなあ、

と今さらながらヒトを見かけで判断したら

あかんと思った。


「それにしたって、、、、

キミは特別コワすぎるっちゅーねん!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ