滅んだ世界
神は言った。
「この世界は何者かの手によって滅んでしまった。少年、君にはこの世界をよみがえらせ、かつての繁栄を取り戻させてほしい」
少年は答えた。
「いやです」
「ええっ、何で? 心配ならチート能力も付けるぞ。指先ひとつ動かさなくても敵は死ぬし、女の子にだって無条件でモテる。ちゃんと生き残りの人類がいるから無意味な能力じゃないぞ。あ、私にやってくれっていうのはご法度だからな?」
「そういう問題じゃないんです」
「じゃあ一体何が問題なんだい?」
少年はため息を吐いて言った。
「だってもうその世界クリアしちゃったんだもの」