認めたくない
いつもあの人を目で追ってしまう。
これは恋かな?
それとも思春期の悪戯かな?
きっと後者に違いない。
ある時期が来れば、この熱は急速に冷めていくんだ。
だってあの人は、
私と同じ女の子だもの。
きっとこれは幻想だ。
彼氏ができないからって、
現実逃避しすぎだよね。
次元を超えれば、
いくらでも相手はいるじゃない。
(それも少し情けないけれど。)
私の周りには、
顔が良い男の子がいっぱいいるでしょう?
彼らに少しでも恋心を抱いたりはしないの?
嫌いな訳でもないでしょうに。
でも、どうしても。
私の視線はあの人を追うの。
気が付けばあの人の姿を瞳に収めている。
気が付けばあの人の声を耳に集めている。
あの人の踊る姿をじっと見つめて、
あの人の曲線の美しさに見惚れてる。
指先まで芯の通った美しい身体を、
私はただ見ているだけで良かった。
これは思春期の夢幻だ。
ただ虚しく散っていく桃色の花弁なんだ。