吸血注意 (ショートショート74)
夏の夜。
灯りの漏れ出る窓辺に、吸血鬼が音もたてず忍び寄る。
部屋には美しい娘がいた。
ひさしぶりにうまい血が吸える。
吸血鬼は舌なめずりをして、娘の白いうなじに目をやった。
だが、そこには魔除けの銀の十字架。首筋のあたりがチクッとして、吸血鬼はとっさに手をやったのだった。
――クソー。
あきらめて窓辺を離れる。
吸血鬼は首をポリポリとかいた。
――チッ! 蚊に刺されちまった。
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夏の夜。
灯りの漏れ出る窓辺に、吸血鬼が音もたてず忍び寄る。
部屋には美しい娘がいた。
ひさしぶりにうまい血が吸える。
吸血鬼は舌なめずりをして、娘の白いうなじに目をやった。
だが、そこには魔除けの銀の十字架。首筋のあたりがチクッとして、吸血鬼はとっさに手をやったのだった。
――クソー。
あきらめて窓辺を離れる。
吸血鬼は首をポリポリとかいた。
――チッ! 蚊に刺されちまった。
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