表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/146

025:秘めた想い

 出発前日の夜。

 隣のベッドではスースーと寝息を立ててクリスくんが寝ています。


「何だか、すごいことになっちゃったねぇ」


『まさかあのポンコツ王子が"悪意"に繋がりそうなネタを持ってきてくれるなんて、想定外だったわ』


「もう、セフィルくんをポンコツとか言っちゃダメだよー」


 ちなみにこの会話はロザリィさんと頭の中で行われています。

 じゃないと、クリスくんが起きちゃうからね。

 初めは戸惑いもあったけど、幸い「考えているコト」まではロザリィさんには伝わらないようで、思ったよりも不自由はしていません。



「それにしても、セフィルくんの猛アタックには驚きだよねー」


『あの地味女に惚れるなんて、王族の趣味は分かんないわねぇ。自分と正反対の相手に惚れるとは言うけど、つまり自分がきらびやかとでも言いたいのかしら…』


「そ、そこまで他意は無いと思うんだけど…」


 でも、その委員長さんは既に一週間以上も学校を休んでいる。

 御見舞に行こうと思ったのだけど、大きな街の病院に移っちゃったらしくて結局会えずじまい。

 私たちが王都から帰ってくる頃には、元気になっていると良いなぁ。



『ところでアンタ、いつまで不思議ちゃんのキャラを続けるワケ?』

「うっ…!」


 なかなか痛いところを突かれてしまった。

 確かに自分は内気過ぎて、初対面の相手に対しては警戒して冷淡な喋り方になってしまうけど、今更クリスくん相手に警戒なんてするわけもなく…。


「キャラクター性というものがありまして…。その…いきなり喋り方を変えて、クリスくんが受け入れてくれるのかと……」


『何言ってんの! アンタたちは生死を共にするレベルで相思相愛の関係でしょ! その程度のコトで仲違いするわけあるまいし、せっかくだから思い切って話してみなさいよ!』


「そ、相思相愛! そっか…そうだよね! 明日頑張ってみようかな! …それにしても、相思相愛かー…へへへ」


『言葉に興奮してないで、さっさと寝なさい。明日は早いんだから!』


 えーーー、さんざん煽るだけ煽ったくせに、一方的に話をぶった切られた…。



 ツギノヒー。

 さて、一足先に台所で朝食を準備しています。

 クリスくんはいつも二番目に起きて来るので、顔が見えたら勝負です!


「あっふ…おはようー」


 欠伸あくびしながらクリスくんが出てきた! よしっ、今だっ!


「おはよークリスくんっ。朝ご飯の準備できてるから、席についてねっ。ところで、お城ってどんなところだろうね? 私、この街から出るのは初めてだから、ドキドキしてるんだ~。王都に着いたら一緒に街を見て回ろうねっ」


 そして全力の笑顔!(キラッ☆)



「……… ・◇・ ………」



 クリスくんが豆鉄砲くらったハトみたいな顔で固まってる!?

 これはいったい、どういう反応なのだろう…???


「…………ふぅ。流石にびっくりしたよ。今朝のロザリィのイタズラはハイレベルだな」

「!!」


 ガーーーーーン…そ、そんな…。

 ガクッ…。


「どうしたっ!?」


『やっぱ慣れないコトはするもんじゃないわねぇ…』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ