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猫飯(ねこまんま)

納得出来ない

写真で新しい母親(にいづま)を見させてもらったが

俺が彼女にしたい位である

あんな頑固親父には勿体ないのである


それはさておき

太股(ふともも)の持ち主であり

関係上叔母にあたるという彼女から

料理の腕前を見せろと

自分が満足するであろう食事を要求された



…猫又らしいが、猫の食事は猫飯(ねこまんま)だよな…

カリカリなんて出せるわけもないし

というわけでキッチンに立っているのである


親父は料理に関しても頑固を貫いて

中華料理さえも作れる火力の高い3段コンロだったり

釜戸等も完備している

勿論換気口も完璧な作りで厨房から客間まで煙が流れるのをよしとしていない

そのくせ 客間では全席喫煙可能で禁煙席などはない

なんだか いい加減なような

こだわり抜いているような

やっぱり頑固親父なのである


まずはイリコで出汁をとり

出汁てる間に井戸水で洗米後

米を研ぐ

但し最近の米は

昔やっていたような

力任せな米研ぎをしてはいけない

旨みをも削ってしまうからである

精米技術が進んでるお蔭なのであるが

それを知らない人は

けっこう居るようだ

米研ぎを終え釜戸にセットして

着火作業してると

出汁の方が出来てくるので

そちらを進める事にする

個人的に味噌汁の具材は玉葱と玉子が好きなのだが

猫は そういうわけにはいかないだろう

犬にも言える事なんだが

猫に玉葱は駄目なんだそうだ

なんとかってー成分が

血液を破壊するだなんとか

詳しい事は知らない

とりあえず玉葱は避ける

豆腐と絹さやでいいかな

思い出を頼りに味噌汁が完成した

火を止めて冷ます為に大きめの丼に分け入れて

冷蔵庫に入れる

本当は自然に冷ましたいんだが

緊急時だから この措置である

御飯も炊けたら同じ処置の予定である


後はどうするかなと考えてたら

懐かしい道具を見つけた

大工道具のような調理器具

鰹節削りである

最近売ってるのを見た事がない

つい使ってみたい欲求に誘われ

道具があるなら

丸のままの鰹節も有るのだろう

探してみる

従業員でもある叔母に在処を聞き出した

ゴリゴリ…

最小は不器用に

鰹節の粉を作ってしまった

なんとか工夫を重ね

真空パックで売られてるような鰹節削りが作成できた

そうこうしてる間に

出来た味噌汁掛け御飯に鰹節削りを適量掻けて

料理を出してみる


訝しげに料理をみた後

叔母は食べだした


顔色を伺ってみると

不機嫌そうだが

尻尾が驚いたように膨らんでる

体は正直なんだと

まるでどこかのエロ小説のような…

なんとか合格点を頂けた


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