奴隷少年1
店長視点じゃないです
少年は嘗て奴隷市場並べられた商品だった
人間と同じ位に繁殖率が高い半妖精である
一度は買われたけど 力仕事がこなせず返品された
処分場に送られ時に そこに現れた勇者が処分場を破壊したのである
「後は自由にしろ」勇者はそう言い残して去っていった
元奴隷達は逃げ出した
一度に流出された難民達で街の治安は悪くなったけど
其々が特技を生かし逞しく生活していったのである
自浄効果のように治安は収まっていった
特に特技なんて持って無かった彼が 路頭に迷うのも無理の無い話である
ゴミ箱を漁ったりしながら命を紡いでいた
しかし治安が落ち着いていくほどに彼の生活は苦しくなっていく
彼は自暴自棄になり犯罪に手をつけようとした
酔っぱらいの懐を探るのである
都合の良いことに力自慢の冒険者の方が
腕に自信があるためか 酔い潰れて そこらで高鼾をかくのである
少年は標的を初老の冒険者に決めた
何処かで見たような風体をしてる冒険者に声をかける
「こんな所で潰れてたらスリに狙われるよ」
反応はない 次の行動に移る
体を揺する振りをしながら懐を探る
金子に手が触れた 後はこれを持ってひたすら逃げるだけである
しかし その目論見は達成出来なかった
金子袋を握った手を捕まえられたのである
「それには妻の写真が入ってるのでな」
手は力強く振りほどけない 少年は諦めた
このまま騎士団に連行されるのだろう
そして縛り首になるであろうと
ようやく楽になれるんだろうと どこか安心感もある
しかし
その思いも裏切られたのだ
冒険者はボンクラではなかった
少年を荷物運びにさせると魔王討伐の旅に同伴させた
力のない半妖精は慣れない仕事に就かされ
逃げる事も仕事を放置することも出来ずに強制労働させられた
体力だけはついたのである
数年経ちついに冒険者は魔王討伐を果たした
その時に少年は幾ばくのゴールドを渡され解放された
「後は自由にしろ」
そう言い残して冒険者は去っていった
冒険者は処分場を破壊した勇者だった




