青天の霹靂2
なんだか凄く心地よい枕である
芳香も心地よく鼻腔を擽っている
このまま覚醒せずに
また深い微睡みに戻りたい気分であるが…
いきなり頬っぺたに痛覚が芽生えた
それもかなりの痛みである
「いってーーーーーーーーー」
「いつまで人の太股で寝てやがんだ」
俺が先程まで微睡んでた枕の所有者が
凄んでいた
「えーと貴女はどちら様?」
「親父は何処に?」
「貴女のその姿は?」
随分間の抜けた質問ではあるが…
彼女は語った
曰く
親父はもう旅立った後である
自分は親父の嫁の姉である
そして、この店の従業員でもある
妹でもある親父の嫁も従業員だったが
今は魔王に囚われの身である
親父には聞いていたが
妹と同い年の息子に留守中の店を任せるので
サポートしてやってくれと…
この姿は本当の自分の姿である
最後に
これだけは絶対に守らないと酷い目にあわせるが
叔母さんと呼ぶな
要約すると
こんな事をヤンキー口調で告げられた
そんな彼女のお姿は
猫耳であった…
所々ファンタジーが入っているのだが
その原因は
店内にある見た事がない
二つ目の扉であった
その扉は壁だった筈なのだが
新設されたらしい
しかもいきなり現れた
その扉の先はファンタジー世界なのである
時折その扉からファンタジー世界の住民が客人としてやってくる
それが招き猫食堂である
理屈は理解したけど
納得はできん
文句を言おうにも
言う相手が旅立ったのだから
どうしようもない
取り敢えず親父が帰ってくるまで
マスターをする事になった