プロローグ 2
とりあえず扉に耳を当てて外の足音を聞く。
…………どうやら、全員別の方向に行ったようだ。
ぼくは、ほっと一息を付く。すると、
「あー!! やっと来たーー!! もう、ここに来てかなり時間が経ってるんだからね! 」
と聞きなれた声が聞こえた。
俺はそれに苦笑して声を掛けようと後ろを向く。
そこには、まるでよく出来た人形な小さくかわいらしい体でベットに座っている、目を見開きその小さなかわいらしい手で口を隠している小さな少女がいた。
その可憐さに、俺は思わず目を奪われてしまい、どれだけ時間が経ったのかは知らないが長い間、ただぽかんと少女を眺めていたように思う。
「あれー? 二人ともどうしたのー? 」
俺のそんな状態を破ったのは、小さな少女のようにそこの抜けたような明るい澄んだ声で問いかけてくる声だった。
おれはその声にはっとなりあたりを見渡す。俺の目の前にいた子も同じらしくきょろきょろしていた。
とりあえず、心を落ち着かせた俺は、宙に浮いているその少女に声を掛ける。
「なんでもないさ、ルナ。ちょっと驚いただけさ」
この宙に浮いている少女は人間では無い。彼女たちは精霊と自分たちで言っていた。
精霊とは自然に発生するあるものの守護者的な役割をするとか何とか聞いたが詳しくは覚えていない。それで、そんな大層な役割をあたえられてそうな奴らが何で人間と契約するのかというと何か人間と契約すると自分の魔力が増加していくとか何とかいってたが例のごとくこれも覚えていない。
とりあえず、この少女――ルナともう一人のおとなしいシャドウは僕の武器を通じて契約してくれている、精霊だ。
その精霊であるルナに言ってから気付いた。普通、精霊は契約している人の前意外ではほとんど姿を現さない。契約した精霊は条件さえ守れば戦闘に参加してくれる、いわば強力な秘密兵器だ。精霊自信もそのことを分かっているためしゃべりたいときは契約の紋章を刻んであるものの中からテレパシー見たいなもので会話をする位なのだ。……まあ普通、人間は精霊を見れないので、実際問題そこまで気にすることは無いのだが。
しかし、ルナは俺と少女の前を交互に覗き込みしきりに手を振っていた。
「おいルナ……出てきていて大丈夫なのか?」
「ん?…………ああ、大丈夫だよ。この人はあの外と何も連絡が取れなくなる忌々しい箱から出してくれたからね」
とルナが指さす方向を見ると真っ白な箱がふたを開けっ放しにしたまま放置されていた。
そういえば、こいつは狭くて動けなくて退屈なところが苦手だったなと思い出す。
「えっと……ルナさん……でしたっけ? この方はどちらさまなのでしょう? 」
そうこうしていると、前のベットに座っていた美しい少女がそう話しかけてきた。
そういえば、周りのことに集中しすぎていて忘れていた。
「ああ、すまない……って、あんたルナが見えるのか? 」
「うん、そうだよヴェル。この人は精霊が見える特別な人。それから、ミラこの人は私たちの契約主である、ヴィルラント・ヴェルヘルムだよ」
驚いている俺をよそに、勝手に紹介をするルナ。そのルナの言葉を聞いた少女は、納得したようにうなずいてから、自分の自己紹介を始めた。
「私は、ミラージュと申します。でも、その名前の『名字持ち』なら愛称はヴィルのはずじゃあ……? 」
「えっとね、ヴィルはちょっと事情が特殊なんだ。だから、名前が後ろで名字は前ってことにしているの」
僕はそれにうなずいてから、彼女――ミラージュさんの手元に置かれていた『それ』を指差す。
「それで、ええーと……その手に持っている『それ』返してくれるかな? 」
「ああ、これですか? ……そういえばここからルナも出てきましたし、これって何かの道具なんですか? 」
そういいつつも手に持っていた『それ』――僕の武器である2丁の小銃『特殊魔改造型BR―920』だ――を俺に渡してくれた。
最近書く暇が無い。
というわけで盛大に遅れてしまいました~~
なんかもういろいろ分からないかもしれないけどこれ以上は書けない。
後、次がいつになるのかもわかんない。