プロローグ 前編
「……っつあ、またこれかよ」
そういいながら俺――ウィルラント・ヴェルヘルム――これで何度目なんだろうなと思いながら起きる。
今、自分がおかれている状況を確認しようとしても、いま自分はまったく知らないところにいる、ということぐらいしか分からない。
……ああ、だんだんと思い出してきた。確か覚えている限りでは仕事が終わってひと段落して、酒でも飲むか~とか思いながら居酒屋へ行って飲んでいると、隣の席に座っていた人がなんだかんだ言いつつ俺に酒を勧めてきて、それを飲んだら眠くなって……
っておいまたなのかよ。これが一回目ならまだ、何でだ? 見たいな感じにはなれた。そう、なれて た。
けど、さすがにこの世界に来て2年もの間に4回も同じ手で引っかかるってどんだけ鈍いんだ俺! しかも相手の目的は分かってるのにいくら酒を飲んでたからって警戒しろよ! ほんとに!
なんて、自分自身に突っ込んでいても始まらないのでとりあえず覚めてきた頭で今の状況を確認する。
「……ええ~っと武器は、っとまあとられているよな。で、ほかは……よし見たところとられたのは武器だけか、ほかのものは預けてたしな」
これだけのことを小声で確認し、あたりを見回す。
誰もいない。
……困ったな、誰もいないほうが逆にここから脱出しにくいんだが。
しかし、これはもうどう考えても誘拐されて監禁されている状況だ。
とりあえず扉の近くに移動し人が来るのを待つ。すこし経つと人の足音が聞こえてきた。どうやら数は一人。ふう、とため息をつきもう少し待機する。
足音はだんだんと大きくなりこの扉のまえあたりで止まった。
そして、扉がゆっくりと開いていき……
入ってきた人を確認せずにとりあえず師匠から教えてもらった格闘技で、相手を落とす。
この格闘技は師匠が言うには蛇の名を持つ工作員の使っていた格闘技を少しアレンジしたとか言ってたが、この際どうでもいい。
気絶した相手の気道を確保してやりながら、音を立てないように中へ引きずり込んで寝かす。そして何か持ってないか確かめる。
……ん? 何でこんなところに銃が? 元の世界ならともかく、ここはいわゆるファンタジーとやらの世界のはずだ。ちょいと仕事で魔法を使う奴らがいたし、技術自体王道のファンタジーとかと同じランプとか剣とかそうゆうレベルなのだ。
なのに銃? ……って、考えても始まらないし、こんなことで時間をとっていると巡回兵が不審に思ってやってくる。そうゆうことは、この4回のなかで経験済みだ。
とりあえず入ってきた男から、使えそうなもの――ハンドガン一丁と弾倉を4つぐらい――を抜き取り外え出た。
適度にスニーキングをしながら自分を武器を探しに行く、途中で出会って気絶させた巡回兵から、武器などを取り上げることも忘れない。
ある程度歩いただろうか、結構広いこの建物の中から倉庫を見つけ出す。大抵はここに放置されているからだ。見つかって安心し、しかし、いつも感じているあの武器との一体感みたいなものがないことを疑問に思いながら倉庫に入ろうとした。
だが、安心したのが間違いだった。急にサイレンが鳴り出し、あらゆるところからたぶん巡回兵のであろう足音や喧騒が聞こえてきた。
あれ? と思いながらも、中に入って武器を探すが、見つからない。すると、
「見つけたぞ! 」
という声ともに巡回兵(たぶん)が3人ほど入り込んできた。手に持っている武器はアサルトライフル。
(ここ、やっぱりおかしい!)
と思いつつ敵兵から、奪っていたハンドガンを連射する。
俺の不意打ちに敵は全員倒れたが、まだ他にも足音がする。
「ったく、優秀なこって! 」
そうつぶやき、俺はその3人の中の1人のアサルトライフルを奪い、扉の前に立ち深呼吸する。
「さて、じゃあとりあえず派手にレディ……ゴー!! 」
そう叫んでから倉庫から飛び出す。
もちろんその声に反応して敵がこちらに来るが、先に撃たせる前に俺が相手を撃ち無力化していく。
そうしながら、俺は走りつつ俺の武器を探しに行った。
―――――――――――――――
「いたぞ!! あそこだ!! 」
もう何度目の遭遇だろうか、今回は余裕があったので足を撃って的確に無力していく。
もうこれにもそろそろ慣れてきた。……いや、慣れるのもいやだけどな。
そのあと、俺は近くにあった曲がり角を曲がりながらリロードをする。敵の弾丸をよけるためだ。
そうして曲がった先に俺は違和感を感じた。さすがに4回目ともなったら間違えない、あの武器との一体感のような感じ。
「おい、こんなところにあったのかよ!! 」
俺は思わずそうつぶやいた後、急いでそこに飛び込んで扉を閉めた。
主人公の名前は日本とかと同じでまえが苗字で後ろが名前です。
ややこしいし、最初は説明できないのでここで書いてみた。
プロットは作ってあるけどほぼ見切り発車です~~
さて、書ききれるかな?