表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
X'mas fire  作者: もち武者
6/9

・【嘘】


「さってと。」


サンタが立ち上がり、腰を伸ばす。

「乗んな。家まで送ってやんよ。」


投げてよこされたヘルメットが、両手をすり抜け胸にあたった。

ちょっと苦しくて咳き込む僕を見てサンタが笑う。

少し悔しいのと恥ずかしいのとで顔があつい。


「【嘘】になんでピストルが効くの?

特殊な弾とか使ってるんですか?」

あわてて質問したために敬語と普通のしゃべり方が混じってしまった。


「なんだ知らねぇのか、コルトは最強なんだぜ?

その気になりゃ聖書の中の神さんにだって新しい穴プレゼントしてやれらぁ。」


明後日の方向に向けて自慢気に銃を構えるサンタ。


・・・出来れば一生その気にならないで欲しい。


「殴っても倒せたし、虎狩りみてぇなもんさ。

あたしも詳しくはわかんねぇんだ。」


詳しくわからないものをよく素手で殴れるものだ。

「ま、数がいやがるからこいつで蹴散らすほうが早えぇ。」


といいながら、バイクの後ろに積んであった大きな箱から長い銃を取り出した。


「AKだ。こいつはマジ最強だぜ!!」


まるで玩具を目の前にした幼児のようにキラキラした目で銃を撫でる。


「さっきはコルトが最強って言ってたのに。」


「ッセーな!コルトの次に最強なんだよ!」


サンタの顔が真っ赤になって、いよいよ赤くない部分を探すのが大変になった。

「い、いいから乗れよ!早くしねぇとあいつら、また集まってくるぞ?」

ヒラリとバイクにまたがるサンタ。

まだ耳が赤い。


手を借りてバイクにまたがる。

サンタが鍵をひねると、

ヴゥウン


赤鼻のトナカイが低いうなり声をあげた。


「しっかり掴まってろよ、コイツはあたし以上にファンキーだから、よ!」


ヴゥン ヴォンヴォン


顔を叩く風にバイクから引きずり下ろされそうになり、あわてて腰にしがみつく。


スピードが上がっていくうちに、僕は。


心のどこかに火が入るのを感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ