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呪印の女剣士【書籍化&コミカライズ】  作者: はーみっと
第一章~平穏が終わる時~
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世界観紹介その1~歴史編~

今回は世界観紹介です。初めから決めていた設定ですが、最初に型式をはめ込んで、読み手に思考を制限させるというのが嫌いな作者です。やっぱり読者には自由に読んで妄想を膨らませて欲しいな、と。それでこのタイミングです。

 また詳細は述べてないこともありますが、だいたいわざとな一方で単純に間違っていることも(汗)どうしても気になる方は感想から質問をどうぞ。

○歴史

 人間の歴史が史実として残っているのはおよそ1500年くらい前からとなる。それ以前にも人間は存在したが、自分達の記録を残す習慣がほとんどなく、また生存領域も非常に限られており、現在主人公達がいる大陸では東西の海岸沿いと、中原の一部でしかなかった。なお現在見つかっている大きな大陸は3つであり、東の大陸には文化を異にする人間族が発見されたが、南の大陸では人間族が生活していた根拠をほとんど見かけることができない。

 

 1500年前は主に魔王達が大陸の覇権を握っており、彼ら同士の覇権争いが主であった。なおその時代に存在していた魔王は実に数百ともいわれる。ちなみに魔王とは、広義には種族を越えた魔物を統一する魔物と考えられているが、狭義には多数の魔物を従える者、また単体ではあるが並はずれて強大な力を持つ者なども魔王として考えられていた。

 その時代に少数派であった人間、エルフ、妖精や一部の巨人族は協力し合い、その時に人間に製紙法や記録術が伝わったとされる。また人間族が他の種族より優れていた点として、生き延びること・学ぶことに非常に貪欲で、他種族の長所を次々に取り込んだことであるとされる。エルフからは魔術や言語、フェアリーからは薬草術・自然学、ドワーフからは製鉄・建造、巨人族からは格闘術・戦闘術などといった具合である。さらに人間は個体差が大きく、生まれてくる人間によって様々な属性や特徴を備えていたため非常に多様性に富み、環境の変化に強かったことも大きな長所となった。たとえば水の属性を持つ精霊は水場を追われればあっけなく絶滅したが、人間は井戸を掘り、水を引いて生きながらえたのである。

 そして人間達が反撃に転じたのはおよそ1200年前が最初であるとされる。巨人族と親交の深かったダヤダーンという若者が、初めて魔王を征伐することに成功したのである。この事実は妖精の情報網を通じていち早く大陸中に連絡され、魔王は不死身などではなく、人間が倒せる存在だと認識させた。魔王達はこの段階ではまだ人間達を見くびっており、また魔王同士が協力し合うと言う意識自体が皆無だったため、歴史上を振り返れば魔王達は後手に回った結果となる。

 

 さらに1000年前ほどになると人間達の中にも国家と言う概念が設立され、魔王と徒党を組んで戦うような国が形成され始める。魔王達はここにおいて事態のまずさに気がついたが、対策を講じようとする者と、魔王間の覇権争いに従事する者が半々程度であった。人間達はこの隙をつき、エルフ族の王であったシグムンドと、巨人族の王であったファードの協力を得て、人間達の脅威を認識しているような魔王から優先して討伐していった。この時代には伝説にも語られる英雄王グラハム、剣帝ティタニア、勇者ゼーベイアなど、英傑達が続々と登場した時代でもある。

 

 そして700年ほど前では人間達は生活版図を随分と広げており、大陸の約半分を制覇するに至っている。またアルネリア教会、魔術協会など、国家をまたぐような団体も登場し、積極的に国家間の仲立ちをする行動が見られた。ここにおいて魔王の数はおよそ100程度にまで減らされていたが、残った者は強者が多く、特に強力な魔王6体を「大魔王」と呼称し、彼らと戦った歴史上の650年前からおよそ300年間を「大戦期」と呼んでいる。

 この戦いは大魔王達を全滅させた人間達の全面勝利で終わるが、逆に精霊達や巨人たちは相次ぐ戦いで疲弊し、歴史の表舞台から徐々に姿を消していくこととなる。なお生き延びた魔王達は人間達に見つからないよう隠れ棲むようになったものが多く、ここにおいて人間と魔物・魔王達の勢力図は完全に逆転したのである。ただ魔王が人間達と違う点は、彼らは他種族を従えても協力することを知らないため、戦争は自然と「自分達対、その他全て」という構図になり、もはや立場の逆転が不可能ということである。

 

 だが大戦期が終了したことを示す最後の大魔王討伐を皮切りに、今度は人間の国家間で争いが生じた。この時代では国家や集団間の協力関係もうすれ、アルネリア教会や魔術教会は中立を保つこととなる。この中において西方にオリュンパス教会が樹立され、東のアルネリア教会と以後対立を深めてゆくこととなる。また魔術教会も様々な分派が設立され、監督が行き届かなくなってくる。

 この時代では乱立した数百の小国国家群が統一され、現在の数十の国家に収まるまでを「黎明期」と呼んでいる。黎明期の終結はおよそ20年ほど前と言われ、ごくごく近年のことである。黎明期終結のきっかけとなったのは、人間の中に大魔王のような存在が出現し、複数国家を巻き込んだ大戦が乱発したせいである。簒奪王ブラムセルの戦役、魔術師ヘルハルドの禁断戦争、大盗賊ヤプーの乱、奴隷剣闘士ザザームントの反乱などがこれにあたる。また獣人達が自分達の国家を主張するようになったのもこの時期である。ともかく、これらの戦争などを経て各国は疲弊し、厭戦気分が高まった。そこにアルネリア教会や魔術教会が仲立ちをして、各国が平和協定を結ぶに至る。


 こういった流れを経て今現在は「泰平期」と呼ばれる時代であり、各国が代表を出して一年に一度、和平会議を開いている。だがこの時代がいつまで続くかを知る者は誰もおらず、薄氷の上を歩くように脆いのではないかと指摘す者も多い。歴史学者達もこの20年を「静かすぎる」と評価する始末である。


閲覧・評価・ブクマありがとうございます。


今回は短め。何回か世界観紹介はやりますが、本編が進まないのは悲しい、ということで本編は本日19:00にアップします。



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[気になる点] 「1500年前は主に魔王達が大陸の派遣を握っており、」って派遣を握ってどないすんねん。 そんなもん握らんと「覇権」握らんかいw
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