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呪印の女剣士【書籍化&コミカライズ】  作者: はーみっと
第五章~運命に翻弄される者達~
1965/2685

戦争と平和、その501~廃棄遺跡⑳~

「・・・かつて、誰かがいたのだな? 7つの遺跡を作った、誰かが。仮にそのウッコやアッカすら手なずけるほどの、誰かが」


 その言葉に全員が振り返ったが、当のアルフィリースは驚きもせずに返答した。


「さぁ、どうでしょうか? 私もまた真実は知らないのです。私の知識もまた遺跡の管理者、主にシモーラからの聞きかじりで、断片的でしかありませんから。

 ですが、ここに鍵がある。レーヴァンティン、パンドラという鍵が。巻き込んでしまって申し訳ないのですが、今回の目的はウッコの討伐のみにあらず。私は遺跡の、その先を知りたいのです」

「そんなことに付き合うほど奇特な人間がここにいるとでも? 頭の中が余程おめでたいようですね」


 リサの辛辣な一言に一瞬閉口したアルフィリースだが、意見は同じだとばかりに鋭い視線を何人かが向けた。だがアルフィリースもまた負けはしない。


「・・・今回のことは、きっとアルフィリースにとっても助けとなるでしょう。いえ、やらなければならないのです」

「それはアルフィリースが自ら決めることです、あなたではない。ましてここにいるのはアルフィリースと巡り合い、彼女についていくことを決めた者たち。誰があなたの言葉に従いますか」

「おい、俺ぁ違うぞ?」

「爺さん、台無しだから。今そういうのいいから」


 レクサスに窘められ、ルイに肘打ちをもらってベッツがむせる。ラインが呆れながらもアルフィリースに質問した。


「んで、助けとやらはなんなんだ? それが具体的にわからん限り、どうしようもない」

「オーランゼブルの狙っている計画については、もう私は結論がわかっています。アルフィリースもまた、自力で正解に到達しつつある。だから考えるべきは次――オーランゼブルの計画の発動後のことです」

「オーランゼブルの計画と、その発動後・・・?」

「ええ。オーランゼブルの計画を止めることは、今更不可能です。ですから、発動した後のことを――」


 そこまでアルフィリースが話したところで、地鳴りが響いた。そう遠くない場所で、何かが崩れたような音が聞こえる。

 アルフィリースたちはリサの先導で、その場所に全力で向かった。目の前には巨大な扉。とてもではないが、人間の力で開けられる大きさではない。


「巨人用だとでも?」

「自動扉よ。封印ロックされているわ」

「開けられるのか?」

「すぐにでも」


 アルフィリースが壁の様子が一部金属質になっているところに手をかざし、光の帯を操作した。するとまもなく重たく低い音とともに、重量感のある扉がゆっくりと左右にスライドしたのだ。

 逸る彼らの目に飛び込んだ光景とは――


「床が――抜けたのか?」

「崩れたのか、壊れたのか」

「前者だろう。こんな分厚い地面が簡単に抜けるとでも?」

「化け物が起きたら、あり得る話じゃないのか?」

「でも壊れ跡を見てくださいよ。物理的に壊してますよ、これ。しかもデカい魔獣っていうか、下手したら人間がやってる」

「レクサス、マジで言ってんのか?」

「爺さんじゃないんだから、こんな時に冗談言いませんって」


 レクサスが小突かれながら答える。それぞれが抜けた場所を確認しながら、リサがアルフィリースに聞いた。アルフィリースは蒼い顔をしながら、抜けた穴の底を見ている。


「ここには何があったのです?」

「おそらくは――ウッコとレーヴァンティンが」


 アルフィリースはさらに目を凝らしたが、穴は深く闇は濃く、底の確認などできそうにもない。アルフィリースはぶつぶつと呟きながら、考えをまとめていた。


「一体何が――我々よりも早くここに到達した者がいた? いや、ウッコが起きていたのだから、起こした者がいたということでしょうか。わからないことばかりだわ」

「さて、どうするのです? さらに追いますか? それとも引き上げますか? アルネリアの神殿騎士団も調査に向かっているでしょうから、慎重を期するのなら合流するという手もありますが」


 リサが少し面倒くさそうに提案したが、アルフィリースはあっさりと却下した。


「いえ、皆が行かないと言うのなら、私だけでも向かいます」

「ち・・・どうあってもデカ女を手放す気はないのですか」

「――だが、我々も向かう必要があるかもな」


 ディオーレが穴の反対側を指さすと、そこにはティタニアが立っていた。



続く

次回投稿は、3/30(月)13:00です。

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