表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪印の女剣士【書籍化&コミカライズ】  作者: はーみっと
第一章~平穏が終わる時~
124/2685

登場人物紹介、その6~ユーティ、エアリアル、ファランクス~

今回はこの人たちのプロフィールです。ファランクスでは短編一本書けそうですな。ちなみに、必要に応じて本人達の過去編をやろうかなとは考えています。まだだいぶ先のことだとは思いますが・・・。

名前:ユーティ(妖精に名字はない)

年齢:妖精に年齢という概念はないが、生まれてからおよそ70年は経っている。妖精にしては若い方

身長/体重/スリーサイズ/容姿:およそ30cm、体重・スリーサイズは内緒とのこと、蒼髪・蒼眼

職業:水の妖精フェアリー

好きなモノ:人の弱みを握ること、宝石収集、人の頭の上で寝ること、広い所、水場、できればレア

嫌いなモノ:人に弱みを握られること、汚いもの、狭い所、火、野菜

一人称:ワタシ

プロフィール:

 大草原の中にある妖精の集落の出自。なお妖精の集落は世界に各所点在するが、人間が見つけることはほとんどできない場所にある。妖精の集落に入るためには妖精の道案内が必要とされ、害意を持って無理に集落に入ろうとする者は永遠に集落の近くを彷徨う羽目になることもある。

 大草原の集落はおおよそ風の精霊で構成されるが、ユーティはかなり珍しく水の精霊である。そのためイマイチ集落の仲間とは気が合わず、集団行動を好む妖精たちにあって、単独行動を好むようになった。

 また水の精霊というものは大人しく慈愛にあふれた気性を特徴とするのだが、彼女はかなり活発かつ、辛口を容赦なく発する性格である。また人間にも興味津々で、ご飯につられて人間に近づいた所を捕獲されてしまった。もっともユーティと、捕獲した人間のどちらに災難だったかはわからないが。


 今回は大草原を単独で渡って自分で集落に戻るという選択肢がかなり困難なこと、また妖精として受けた恩は返さなければならないこと(あまり徳の低い行いばかりしていると、妖精の羽がなくなり飛べなくなるとの伝承が妖精にはあり、ユーティもそれは信じている)、そして個人的にアルフィリースに興味があることで行動を共にしている。

 なお妖精とは精霊の一種(格としては下位であるが)であり、徳を最大限まで積むと、完全な上位精霊として別の存在に昇華すると言われている。妖精の集落の長は例外なく上位精霊に昇華した存在であり、ユーティも口にこそ出さないが、いずれは自分も上位精霊になりたいと考えている。

 ただ一般的な妖精の業務とされている、自然の循環をよくするために草木の頼みごとを聞いたりすることや、菜食主義などは苦手である。ちなみに大の肉好き。



名前:エアリアル(彼女の出自に名字をつける習慣はない)

年齢:16

身長/体重/スリーサイズ/容姿 164cm/53kg/83・55・85/緑の長髪、緑眼

職業:遊牧民

好きなモノ:草原、アルフィリース、植物を育てること、草笛、風の吹く静かな場所、動物

嫌いなモノ:人込み、五月蠅うるさい場所

一人称:我

プロフィール:

 大草原のとある部族の出身。彼女の両親は部族で有数の戦士であったが、それゆえに儀式としてファランクスに挑み続ける彼らの一族の掟により両親は死亡する。父も知らず、母の顔もおぼろげにしか覚えていない彼女は時間の大半をファランクスを打倒するための訓練に費やすがそれはかなわず、ついには部族全員を失った彼女は逆にファランクスと生活を共にするようになる。その時初めて彼女は両親の遺言を知ることとなる。


 ファランクスに鍛えられた彼女は並の人間をはるかに凌駕する身体機能を身につけており、獣人であるニアとも体捌きで勝負ができるほどである。もっとも大草原の人間達は生活全てが体を鍛えるような状況であることと、食べ物も大草原以外よりはるかに良いせいだとも言われている。また槍、剣、弓、投擲武器など様々な武器を使いこなすのは彼女の部族の伝統である。

 さらに大草原の人間は馬の扱いに優れているが、彼女の場合は乗る動物を選ばない。竜はおろか、大草原の動物であればギガノトサウルスまで乗りこなしてしまう。これは彼女特有の能力である。


 ちなみに彼女の武器や衣服は、大草原に迷い込んだ人間から買い付けているものを加工したり、縫ったりして使っている。もちろん大草原の部族から物々交換などでも手に入れたりする。

 ファランクスの方針から彼女は大草原に迷い込んだ人間を無事に外まで送り届けたりする役目を務めており、「案内人」というあだ名もそこからついた。またその姿から彼女のことを大草原の精霊と勘違いする人間も多かった。


 そんな彼女の望みは「友人を得ること」である。ファランクスと一緒とは言え、同年代の人間の友人に飢えていた彼女はアルフィリースと友達になりたいと願う。また一見冷静に見える彼女の本質は、結構な寂しがりである。彼女はアルフィリース達と今後どのような行動に出るのか、いまだに彼女は決めかねている。



名前:ファランクス

年齢:??(数百年は生きていると思われる)

身長/体重/容姿 5m/1.2t/燃えるような体毛と髪、瞳。腕は計8本。外見は巨大な獅子のようでもある。

職業:大草原の守護者

好きなモノ:エアリアル、人間をはじめとする大草原の生物なら全て、花畑での昼寝

嫌いなモノ:大草原を荒らす者、娘に危害を加えるモノ

一人称:ワシ

プロフィール:

 大草原最強と呼ばれる生物にして、大草原の管理を行う、通称『炎獣』と呼ばれる存在である。実際には最強というわけではなく、他にも強い生物はいるとされるが、彼らは滅多なことでは他の生物の前に姿を現さない。だが人語・魔術も操る知性も含めると、ファランクスが大草原の代表と述べても過言ではない。


 彼は大草原でも非常に希少種であり、もとは群れで暮らしていたようだが、群れが襲われた時に彼を除いて全滅してしまった。運よく生き延びたファランクスは深手を負うが、たまたま大草原の視察に来ていたミリアザール一行に拾われ事なきを得る。

 その頃のファランクスはまだ幼体であり、ミリアザールの腕に抱えられる程度の大きさだった。そのため人間達には「チビ」としてよく遊び相手になってもらっており、幼いファランクスもよく彼らに懐いていた。その時からファランクスは人間に好意を抱いており、彼が自分のことを「ワシ」と呼ぶのもミリアザールの影響である。


 やがてミリアザール達は大草原を去り、ファランクスは大草原に残った。だがファランクスはミリアザールの事が忘れられず、彼女の真似をして困っている動物や、大草原に迷い込んだ人間を助けるようになる。その行動を持って彼は大草原の動物達に主として認められるようになり、同時に様々な争いごとを解決してく過程で、彼は種属としては例外的に強くなった。

 また人間を助ける過程で彼は人間達の言葉を徐々に覚えていき、同時に大草原の北部には余り近寄らない様との警告も発した。


 彼が大草原の主となってから多くの時間が経過した。大草原で暮らす人間が増えるに従い徐々に彼を大草原の主と崇める人間は少なくなり、むしろ彼に挑みかかるような部族もあらわれた。それは人間が好きなファランクスにとってはつらい出来事で、時には死なせぬように手加減をしたものの、結果として生贄に捧げられることを知り、せめて戦士として死なせようと彼は戦うようになった。

 そんなある日、彼の目の前に現れた男は格別に強かった。ファランクス自身も手傷をかなり負わされ、危うく目を潰されかけた。戦いは三日三晩におよんだが、結果は当然のごとくファランクスの勝利で終わる。だが男のあまりの正々堂々とした戦いぶりに感動したファランクスは、男をこのまま死なすには惜しいと願い1つを聞いてやることにした。その時男が願ったことは、


「いずれ自分の妻も戦いに来るだろう。戦士として戦う以上手加減は無用だが、妻も死ねば生まれたばかりの娘が1人で取り残される。それだけが不憫だ」


 と。ファランクスはしばし悩んだがよい結論はでず、男にどうしたらよいかを問うた。そこで男が語ったのは


「では娘がお前の前に現れたら、自分の娘として育ててはくれまいか?」


 というものだった。獣である自分に無理だとは言ったが、男は既に事切れていた。


 ほどなくして自分の前に立ちはだかる女が現れる。ファランクスは直感でそれがいつぞの男の妻だと悟ったが、運命が変わるわけでもなく戦うこととなる。

 彼女は男と違い、罠や不意打ちを多用して戦うタイプだった。ファランクスはそのような戦いは好まなかったが、女からはなんとしても生きて帰るという強い意志が見て取れ、ファランクスはあえて真っ向から罠を打ち破りに行った。

 結果はやはりファランクスの勝利で終わるが、同じように彼は女の遺言を聞いた。すると不思議なことに、


「娘のことをお願いしたい」


 と頼まれた。ファランクスはやはり断ろうとしたが、女の強い瞳に押され、やむをえず承諾した。


 さらに時間は経つが、ファランクスはまんじりともしない日々だった。獣の自分に人間をどう育てればよいのかわからない。そのうち目の前に復讐に目を燃やした少女が現れるが、見るなりファランクスはいつぞやの話の娘だと気付いた。

 だが幼い娘の攻撃はファランクスを脅かすほどではなく、ファランクスは適当にあしらうのみで、どうしようもなかった。また娘の方もファランクスの話を聞く様子も無かったので、ファランクスは適当に娘を叩きのめすとその場を去った。


 だが娘は決して諦めることなく、毎日毎日ファランクスに喰いさがった。時には思わぬ深手を与えてしまうこともあり、その度娘にそっと治療を施し食物を傍に置いておいたが、全て娘には逆効果にしか受け取られず、より一層の憎しみをかきたてただけだった。

 しばらくして娘の一族が全滅している事実が発覚し、娘はそれからあまり戦いを挑んで来なくなったが、いまだにファランクスの後をついてきていた。だがファランクスにどうできるわけでもなくそのまま流れに任せていた。

 

 やがて娘が死にかける事件が起きるが、ファランクスはあらん限りの力を振り絞って娘を助けてしまう。なぜそのような行動をとったかファランクスにも不思議であったが、それを契機として娘とファランクスの奇妙な親子生活が始まった。娘の名前はエアリアルといった。

 最初は互いに違和感を覚えたが、ファランクスに出来ることと言えば大草原に関するあらゆる知識を教え込むことくらいであり、娘も瞬く間にその知識を吸収していった。時に自分の寝どこにもぐりこんでくる娘のことを、彼が愛しく思わなかったと言ったら嘘になるだろう。


 やがて成長した娘は、ファランクスの仕事を彼以上に上手くこなすようになる。子どもを育てるとはこのような心境であるかとファランクスは満足したが、同時に娘を大草原に縛りつけている気がしているのも事実であった。彼が願うのは娘の幸せのみであったのである。

 そしてアルフィリース達が目の前に現れた時、彼は何を思ったのであろうか・・・。



続く


さて、次回投稿は1/29(土)14:00です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ