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26話 幕切れ?

 戦いはすでに終わっていた。

 地には折れた武器と倒れ伏した者たちが散らばり、残された者の顔には恐怖と疲弊だけが浮かんでいる。

 勝敗は決し、誰しもが生きる事を諦めていた。

 だが戦意等これっぽっちも残っていない残党に光が現れる。

 その男は唯一1人シスターの目の前に立ちはだかった。

 その顔は険しく相手を威圧するように怒気を込め言い放つ。


「我の名はエリュド=ドラヴァニア。魔王直属の5将星の1人竜騎士のエリュド=ドラヴァニアだ!貴様に一騎打ちを申し込む!」


 そして背中に背負った大剣を片手で抜き取り構える。


「ふぅん、まぁ興味ないけど、ちなみにだけどこの軍勢はその魔王様の差し金かしら?」

「いや、私個人の意思だ。魔王様はこの事に命を下しておらず何が起きているかも知らないだろう。」


 一呼吸を起き続くようにエリュドがいう。


「この勝負、どちらかが負けるまでは他の者への手出しは遠慮願いたい。」

「………。まぁいいわよ、かってに手を出したら問答無用で殺すけど。」


 そう言い残し2人は黙り一騎打ちの間合いに入る。

 周囲は静まり返り兵士たちも何も言わずじっとその戦いの様を見ていた。

 エリュドの勝利を信じて。

 ――一呼吸。そしてエリュドが攻撃に転じる。


「ハァアアアアッ!」


 地面に大剣を振りかざす。

 すると地面が隆起しながらシスターの元へと向かっていく。

 逃げ場の無い攻撃にすかさずシスターは飛び上がる。

 と同時にエリュドも飛び上がり大剣を振りかざす。


「獲ったッ!」


 空中で身動きは取れまい、そしてこの大剣を弾く事の出来る防具や武器も無いッ。

 そう思い放ったエリュドの縦振りだったがシスターの体には当たらず空を切った。

 正確には剣を弾かれた。

 振り切った剣の側面を身体を捉える前にメリケンサックで横へと殴りその反動で身体を翻し背後へ回る。

 出来るのか?そんな芸当が……、だが今までの戦い振りをみると出来てしまうように思える。

 そして背後からズドンと衝撃が走る。


「まぁ惜しかったんじゃない?」


 その声と共に地面に叩きつけられた。

 地面に叩きつけられたエリュドは多量の血を吹き出し息が止まっていた。

 叩きつけられた地面はエリュドの技によって隆起した地面の頭頂部。

 そこに鎧を貫通して胴体を含め心臓を貫いていた。

 希望の光が今絶たれた。

 もしかすると…、エリュド様であれば…、期待とは裏腹に観戦していた者からすれば一瞬で決着が着いてしまった。

 終わった。

 誰もがそう思い腰が砕け座り込む。

 だがエリュドの元にシスターが寄り添い隆起した地面から身体を引き抜いた。

 そしてその場に座り込み何やら魔法を掛ける。

 するとみるみるエリュドの身体の傷が癒えエリュドはむくりと起き上がった。


「いやぁ悪いわね、間違えて殺しちゃったわ。」

「い、一体何故⁉」


 一体何故生き返らせたのか?回復魔法まで掛けて…。

 その疑問が沸く中、キョトンとした表情でシスターがエリュドに言う。


「だってあんた負けましたって言ってないじゃない。」


 第2回戦開幕。この女は自ら負けを認めるまで殺すことも許さないのだ。

 生まれてから恐怖を感じたことの無かったエリュドの身体が僅かにだが震えていた。

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