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説明回は苦手です
目を開けるとそこは広場だった。
「おお~」
目の前にある噴水が吹き上がる水のキラメキが空に向かって吹きあがっていた。噴水を間近で見上げている私の周りにはたくさんの人たちが居て、向かって左側には、敷物の上に商品を広げた露天商の人たちが活発に売り買いをしている。商品を見定めたり交渉をしたり冷やかしていたりする人たちが行きかっている。右側には机と椅子が並んでおり、外周には屋台が並んでいるのでフードコートなのだろう、食事を楽しんでいる人たちが居た。
目の前の光景に感動していると突然頭の中に声が響いた。
『それではチュートリアルを始めます』
「え? 強制なの??」
『はい、クレームが沢山ありまして……クレームを入れる人ほどチュートリアルを受けていない傾向が有ったので、チュートリアルは強制になっちゃいました』
「あ、もしかしてナビゲーションAIさん?」
『はい、さっきぶりです』
音声しかないのだが、にこやかに手を振るナビゲーションAIさんが容易に想像できた。
『キャノーラさんの姿は現在ゴーストモードになっていますので、周りの人から接触したり知覚したりできなくなっています、それでは噴水の向こう側にある冒険者ギルドに向かいながら説明をしてきましょう』
そう言われた後、足が勝手に動き出した。テクテク歩いて噴水を半周する間、人とぶつかりそうになっても「あ、すみません」と身を翻そうとしたらそのままその人は私をすり抜けていった。なるほど、これがゴーストモードか。
『基本的な事を説明していきますね』
そう言って、ナビゲーションAIさんは話し始めた。
お金の単位はG、1Gコイン・10Gコイン100Gコイン1000Gコイン10000Gコインがあり、G=¥の物価感覚で問題ないらしい。パーソナルカード(マイナンバーカードの様なもの)に貯蓄とクレジット決済機能が備わっているので、銀行にGを預けてしまえばクレジット決済も可能とのこと。パーソナルカード間のやり取りも可能なため、町中で現金をやり取りすることはあまり無く、主に戦利品としてGがあるらしい。まぁVRMMOなのだし、キャッシュレス決済が普通になってるのだろう、私が若いころは(年寄りテンプレ)
長さはメートル法を採用しており「インチヤードポンドは死すべし」と力強いお言葉をいただいた。
時間の流れはリアル1日に対してゲーム時間は4倍で流れる。その4倍の時間も体感的に1日は1日と感じるので、ゲーム内で4日経ってもリアルでは1日しか経っていないらしい。
『本来のVR用途で特殊技能訓練と言うのがありまして、例えば宇宙飛行士や潜水溶接作業員のトレーニングを効率的かつ安全に行うことが出来る、そういった機能をVRMMOに応用しているんですよ』
「ベルナートではサービスが10日前にスタートしているから、ゲーム内時間は40日過ぎているという事ですか」
なるほど、リアルの方は大丈夫だがゲームにしばらくINしないとゲーム内で浦島太郎になってしまうな。
『いえ~キャノーラさんはエディットステージにて3日間過ごしているので、ゲーム内ではサービス開始から52日が経過してますね、スタート地点の王都の周辺地域の開放もエリアボス討伐も周辺都市到達ミッションもほぼ終わってますね』
おおう、3日もキャラクリをぶっ続けでやっていたのか。それにリアル7日に1度は1日間ログイン禁止で、これはタンクベッドで完全看護でも強制休憩をとらされるらしい。リアルとの繋がりを思い出させるためと、タンクベッドのメンテナンスが法律で定められているためだそうだ。
『ログアウト中でも体はその場所に残ってしまうので、野宿でログアウトはお勧めできませんよ』
リアル6日後に1日のログアウトの強制は、ゲーム内では24日後に4日間寝っぱなしになるって事か。一度眠るとなかなか起きないプレイヤーの事をNPC達は「冒険者の眠り」と言っているそうで、宿屋でログアウトする場合も4日以上の料金を前納しておくことを推奨しているらしい。
『プレイヤーの皆さんには初期ボーナスでギルド付属の宿屋の代金を40日分免除されているので、その間に宿代の工面を頑張ってくださいね。もし長期間ログインできない場合やお金が無い場合は神殿に安置してもらうって方法もあります。これは宿ではなくてカタコンベの墓棚に安置してもらうという方式です、料金はかかりませんが回復効果はあんまり無いです。宿屋で料金超過を起こした場合も自動的にカタコンベに送られることになりますが、運搬料が別途発生しますし、無防備な状態で他人に体を触れられるのはトラブルの元です、ちなみに運搬のアルバイトもギルドで斡旋しているので筋力と体力に自信がおありでしたらどうぞよろしくお願いします』
プレイヤーとNPCを見分ける方法は、冒険者の眠り以外に自己申告しかないらしい。ゲーム内で死亡した場合はプレイヤーは最後に入った町のカタコンベで復活するが、NPCに復活は無い。
などなどの基本的な事を聞いているうちに、ギルドへとたどり着いたのだった。
書き忘れたことが有ったらコッソリ追記していく方針で。




