21
引っ越ししました。
復帰一発目はめっちゃ短めです。
「暑くないんですか?」
駅の銅像前で、日傘を差しながらトシくんとミーナちゃんを待つ私の両サイドには、黒スーツで固めたボディーガードの方々が立っていた。
「お気遣いありがとうございます、空調服となっておりますので見た目よりもずっと涼しいんですよ」
リーダーと思われる女性のボディーガードさんがにこやかに対応してくれる。真夏の炎天下に黒スーツを着ているにも関わらず、その額には汗ひとつ汗をかいていなかった。スーツのボタンを外して前立てを開いて見せてくれると、そこから冷気が溢れ出ていた。
「すごいもんですねぇ」
「魔道技術の賜物です」
私の知らない間に世の中は最新技術で再構築されていたようだ。歳をとると世間の流れに疎くなっていけないな。そんなやり取りをしながら待っていると「うゎ、まんまじゃん!」という声とともに、トシくんとミーナちゃんが近づいて来た。
「ノーラ? だよね⁇」
おっかなびっくり声をかけてくるミーナちゃんは、手に持った緑色のハンカチを翳して見せた。
「そういう2人だって、まんまじゃないですか」
お返しに緑色のハンドバッグを翳して見せる事で、ミーナちゃんに答えて見せた。隣のトシくんは、あんぐり口を開けたままずっと私のことを凝視していた。日傘を畳んでハンドバッグにしまってから「はいギュー」ミーナちゃんを抱きしめて、何時もの朝の挨拶をした。ミーナちゃんも「ギュー」と抱き返してくれて、本人確認はこれで完了だ。トシくんに向き直って「はいギュー」と抱きしめてあげると、完全に硬直して顔が真っ赤になっていた。この頃慣れてきて抱き返してくれるようになってきたのに、どうしたんだろうか?
「リアルでこれは、刺激が強すぎるよ……」
10日間毎朝やってたのに、今更何を言っていることやら? おでこのくっつく距離でトシくんを見つめていたら「そろそろ移動しませんか?」っと担当さんがわって入ってきた。まぁこんな炎天下でやり続ける事でもないなと思い直して2人に向き直った。
「じゃーいきますか」
2人と黒服さん達を引き連れて、予定していたファミレスへ行くことにした。
21話はもうちょっと延長すると思うんですけど、とりあえず更新。




