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 スキル取得条件はそのスキルがLvUPする行動を行う、だけれども、そもそもそのスキル持ってないのにどうやって使えと? そこで考えた、スキル使用するための前提条件を満たす行動をとれば、未取得のスキルを取得できるのではなかろうかと。そう思って魔導スキルも無いのに魔導書に魔法を書き写していた結果、やっぱり出来た。スキルに追加された「魔導Lv1」を確認した私は小さくガッツポーズをした。


 女将さんとカミリアちゃんが見守る中、小枝を構えて見せた先にランプがあった。ランプに向けて「着火!」ポッとランプに火が付くと部屋を明るく照らし出した。


「「おお~」」


 店長とカミリアちゃんの歓声が心地よい。精霊術でも火を灯す事が出来る、でも精霊召喚で火をつけるには近くに火が無いと火の精霊を呼び出せないのだ。火が無いから火の精霊を召喚したいのに、召喚するための火が無いとはこれ如何に? それに火の精霊を呼び出す、火の精霊にお願いして火をつけてもらう、火の精霊に帰ってもらう。火をつけるという1アクションのために3アクションが必要になる。まぁ精霊召喚のための前提条件は、精霊収束具と呼ばれる装飾品で満たすこともできる、火の精霊だとファイアーブレスを吐くモンスターの魔石に台座となる指輪とかの装飾品になる。上位互換の汎用収束具は中位以上の名前付き契約精霊を宿すことが出来る、属性石の精霊収束具でもアルバイターの私には手が届かないのに、汎用収束具なんて売りに出たらオークションものだ、私にはもったいなすぎるね。


 しかし、小さな火を灯す位の魔導なら「着火」の一言で火を灯すことが出来る。初級魔導は一般的に「生活魔法」と呼ばれていて普及している。かなり便利なので私も使ってみたかったのだ。精霊魔法は野外でこそ輝くと思うね、町の中で生活している今の私には「生活魔法」だよ、うん。


「先輩って魔法使えたんですね」


 カミリアちゃんの一言に、ドヤ顔を決めていた私は凍り付いた。


「は? 私は元々魔法職だが??」

「先輩が魔法を使うところなんて初めて見ましたよ」


 え? そうだっけ? 


「竈のサラマンダーを呼び出したの、私、私」

「あ~竈の火って全然消えないなって思ってました、何かいたんですね」


 え? 見えないの? と女将さんに目線を送ると「見えないよ~」って返事をくれた、まじかー。竈の中がすっかり気に入って居着いたので、維持にMP使ってなかったわ。竈の中でサラマンダーはグースカ寝ていた。まぁ薪を切らさず、夜も熾火を大事にしてくれたから、すっかり野生を失っているみたい?


「井戸にウンディーネもいるんだよ?」

「そうなんですか?」

「そういえば、お水が美味しくなった気がするわ」


 井戸のウンディーネさんは奥ゆかしいから、自己主張はしないもんなぁ。こちらも私の手を離れて居着いちゃってる。


「カミリアちゃんって、私の事を何だと思ってたの?」

「え? なんだかエロいエルフお姉さん?」

「わかる~あざといのかと思ったけど、天然だったのよね~」


 ガーン、そんな風に見えてたんだ。


「修道院育ちの子でこんな子がたまにいるのよ、男と距離感の図り方が下手な子が。その気も無いのに男と距離が近くて勘違いさせて騒ぎを起こす子が」

「服とか座り方とか隙が多いんですよね~」


 ショックを受ける私に、キャッキャと追い打ちをかけてくる二人と共に、本日最後の客を追い出すと掃除と片づけを済ませるた。


「すみません、明日から冒険者の眠りに入るんで、4日間お願いしますね」


 酒場の営業時間を過ぎた夜11時、終い作業を終えて一息入れていた二人に私は言った。


「えー先輩、4日も休んじゃうんですかー」

「うん、カミリアちゃんもお仕事任せられるようになったし、大丈夫よ」


 女将さんも太鼓判をくれたので大丈夫だろう。私が居なくても仕事が回るのは少し寂しいが、カミリアちゃんの成長は素直にうれしい。宿屋の裏にある井戸に立てた目隠し衝立の中で水浴びをして、私は自分の部屋に帰って眠りについたのだった。

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