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《変な"源"》

 

 今日何人の"源"を食べただろうか。もう覚えていない。今は朝の7時だから一日で約10万人を食べると考えると単純計算で三万人近く食べていることになるがそんなに食べただろうか。でも少なくとも二万以上は食べている気はするが。

 "源"はそこそこの大きさだが、ゼリーのように柔らかく、なぜ丸い形を保っていられるのか不思議なくらいの柔らかさだ。それ故すぐ食べ終えるし、味もない、お腹にも全然たまらない。一瞬、いや半瞬(?)で食べ終わるものだ。脆いな、と思う。なぜわざわざ存在しているのだろう、とも思う。私にとって人の命とはその程度のものなのだ。



「…は…?なにあれ…」

 宙に浮かんでいる白い"源"を見つけた。

 宙に浮かんでいる"源"は珍しくない。なんなら私がいつも食べているのは宙に浮かんでいる"源"だ。生命の力が強いほど重く、地面に張り付いているからだ。生命の力が弱く、もうすぐ死ぬ運命にある"源"は軽く、宙に浮いている。より高く浮いている"源"ほど死にかけである。

 私が今見つけた白い"源"は、今までに見たことのない高さにいる。しかも、

「動いてる…?」

 "源"は普通動かない。浮かんでいく以外動かない。なのに、それなのに。

「横に動いて…、回って…、え、は?し、振動してる…」

 私が内心めちゃくちゃ引いて固まっていると、その"源"は私の方にものすごい速さで飛んできた。そしてそれは私の鳩尾に勢いよくぶつかった。


「ッげほっ、ゲホッゲホ、げほっ」

 私は吹き飛ばされた。咳をしながら体勢を立て直し、ぶつかってきた白い"源"を見ると、またさっきのように横に動いたり、回転したり、斜めに円を描くようにぐるぐると回ったり、振動したりと奇怪な動きをしている。

 まるで、私に食べられないようにしているように。

 だが、あの"源"の奇怪さはそれだけにとどまらなかった。

「何あの"源"…。めちゃくちゃ硬かった…」

 とびきり高い位置に浮いていて、動き回っていて、鉄球かよってくらいに硬い。死神の私が死ぬかと思ったくらいに硬い。


「変な、"源"…」

それに尽きる。

一話を読んでくださった方たち本当にありがとうございます。これからも暇潰しゲーのアップデートのロード時間にでも読んでくれると嬉しいです。

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