第七章〜復讐代理
宜しく御願い申し上げます。
「何故って!何故だろう?うーん、俺自身にもわからないや。ただ・・・。なんか・・・、同じ匂いがするんだよ。お前からは。オレと同じような匂いが、ね。まぁ、オレたちは匂いでしか仲間かどうかを判断出来ない種族だから、さ。それだけ」
「同じ匂い?そうかぁ?そうなのこ。なんか複雑な気持ちになったなあ。それは褒め言葉でもなんでもないしな」
ヤスオは自分の身體の匂いを嗅ぐような仕草をしながら、なにやらなんとも言えないような複雑な顔をした。
秀次郎が言い訳をするように、慌てて付け足した。
「まあね、オレ自身にもよくわからねえんだ。何言ってんだか。人間の気持ちなんて正直、すべてはわかってやいないのさ。許しておくれよ」
ヤスオが取り繕うように、
「うん。いいよ。きっと、そんなものさ。人間だって似たようなものさ。匂いだけで僕だって底辺にいるのさ」
秀次郎かま顔を上げた。
「まぁ、いいや。兎に角、オレに任せときなよ」
秀次郎がきっぽりと言う。
「任せるって、なにを、さ?」
ヤスオが問い返した。すると、
「オレはもともと天下の嫌われ者さ。人間に対して嫌がらせをするのなんて朝飯前さ。人間どもを困らせる色んな方法を知ってるからな。君に嫌がらせをした奴らをオレは許さない。それだけだ。愉しみにしてなよ。な?」
秀次郎は笑っているようだったが、怒っているふうでもある、とヤスオは思った。
有り難う御座いました。