第二章〜目醒め、そして
御早う御座います。宜しく御願い申し上げます。
ゴキブリだった時の身體ほ、確かに潰されてぺちょんこになった筈だ。自らの潰れた身體から、白い脂肪体が流れ出て、地面を濡らしたのを自ら見ていたから。
しかし、転生した後の身體は少しも潰れてははいなかった。
むしろ、ふっくらとして温かみも感じる肉の塊で出来た肉体に全身が覆われているようだった。
鼻?これが鼻か?鼻で匂いを嗅いでみる。ゴキブリ時代に自分が発していたホコリと油とを足して2で割ったような自らの匂いは今はしないようだった。
手?脚?それぞれ二本ずつしかない。しかし、それが存在する感覚はある。しかも、自由に動かせるようだ。
痛みはなかった。完全に転生しているようだっと。匂い。匂いには敏感のようだった。幸いだ。
ゴキブリ時代より鈍重になった嗅覚を使って、本能的に食べ物を探した。はできりとほわからないが、少なくとも近くには食べ物はなさそうだった。
食べ物?ゴキブリ時代と同じ物を食べるのどろうか?あのような物を食べられる気が、不思議としないのだ。
どうやら、完全に転生を成し遂げたようだった。おそらくは、人間に。
と、ドアががちゃ、と音を立てて開いた。何者かが室内に入ってくるのが見えた。
潰される?本能的にそう感じた。身構えた。覚悟した。
有り難う御座いました。