第十七章〜奪還
わけのわからない展開になってしまいました。訳わかりません。
「ううう。早くしやがれ」
徐ろに零の背中側から学生服の中に入れられたヤスオの手は、手探りで、必死に秀次郎を探し回った。が、
「てめえ、早くしろ!嫌がらせのつもりかよ。おせーんだよ」
と、零が駄々を捏ねる。女子生徒たちの黄色い奇声もやまない。
━━ヤバいな。このまま秀次郎を救い出そうとしても、パニクった誰かに叩き潰されてしまえかもしれない。
ヤスオは案じた。
「うおおっ、キモチわりぃ。早くしろ!取ってくれよう!」
零が悶える。その時。
ヤスオの指先に何かが触れた。
━━秀次郎だ。
秀次郎は指先に頭らしきを擦り付けてくる。
何かをヤスオに訴えているかのようだった。
━━どうしよう・・・。
ヤスオは迷った。
普段から地味でだいそれたことなど何一つとして出来なかった彼に、出来ることなど、そう多くはないように思えた。
ただ、どうしてか、秀次郎だけは守りたかったのだ。そんな気持ちになったのは生まれて初めてのような気がした。
考えようとした。が、考える暇もなさそうであった。
「おい!」
零と蓮こま怒鳴る。ヤスオは、密かに秀次郎を掌で包みこんだ。
そして、その手を零の背中から引き抜くと同時に自らの口に運んだ。
「うぎゃっ、こいて!ゴキブリ食ったのか?」
「見たぞ!今、確かに口に入れたぞ!」
「ゴキブリ食べたかったのかよ!?」
クラス中に悲鳴と怒号と喝采が広がっていった。
有り難う御座いました。




