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第十章〜反撃

宜しく御願いします。

ヤスオたち一年生の教室は、四階建て校舎の二階に配置されていた。

ヤスオが教室に入っても、ヤスオに挨拶(あいさつ)する生徒は一人もいなかった。

秀次郎もそのことをバッグの中で感じて、同じ底辺として大いに怒りを感じるのだった。

秀次郎は、ヤスオが席についてバッグを何処(どこ)かに掛けるような動きをしたのを感じた。

ヤスオの息遣いが聴こえる程の距離である。

おそらくは机というものの脇に架けられたのどろうと秀次郎は推察した。

授業はすぐに始まるようだった。

食べ物の腐った時にする美味しそうな匂いを嗅げなくて秀次郎は大いに不満でもあった。

周囲はまだ、がやがやとした喧騒(けんそう)の中にあったので、ヤスオに話しかけてみた。

「おい。他に聞かれてはマズいのだろう?小声でいくぞ。お前、犯人の目星(めぼし)はついているのか?つまり、画鋲(がびょう)を仕込ませた犯人の、さ」

マスオは、自分のバッグに顔を近づけるようにしながら答えた。

「ああ。まあね。だいたいは。でも、確信は持てない。」

「そうか。確信はなくていい。オレが確かめるから。それよりオレはバッグから外に出てはマズいのか?ゴキブリはこの教室という部屋の中には通常いるものではないのか?」

「ああ、そうだな。昔はどうだったか知らないけれど、最近の学校というのは清潔になってね。あ、ゴメン。なんだか君のことを不潔だと言っちゃったみたいになった」

「そんなことは、どうでもいい。犯人のいる場所の目安を教えろ。表に出る」

「ヤバいよ。見つかったらまた叩き潰されるよ。そんなの見たくない」

「大丈夫だ。少なくとも一回は人間になった今のオレはそこまで馬鹿ではない」

ヤスオは目標の相手の席を右から何番目で、前から何列目かろというふうに教えた。

そして、秀次郎を信じたのか、バッグのファスナーをゆっくり開けたのだった。


有り難う御座いました。

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