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プロローグ
書き始めました。宜しく御願い申し上げます。
━━実に美味そうなチーズだ━━。
そう思ったのだ。そう思ったのが、運の尽き、だったのだろうか?
そう思ったから、近づいて行ったのだ。
長い間、常温で放置でもされていたのか、程よく熟成が進み、腐りもの特有の魅惑的な匂いを放つチーズ。
戸棚というのだろうか?木で出来た四角い箱の中に無造作にに放置されていた。
高い外気温のせいか、全体的にとろんとした雰囲気をしていた。
そんなチーズに、しめたとばかりに取り憑いたのだった。
━━旨い。
そう思った瞬間、であった。
がつん、とした猛烈なる衝撃を全身に感じたのだ。瞬間的に自らのしてしまった油断を悔いたのだ。
びゅっ、と体内から体液が飛び散るのを感じて、こんなものか、と感じたのだ。
ただ、幸いにも痛みというものは感じずに済んだのだ。一瞬にして昇天してしまったから、だろうか?
スリッパというのだろうか?仲間がそれを使って叩き潰されるのを散々見てきたから知っていた。
自らが、スリッパで叩き潰されてぺちゃんこになったのを悟ったのだ。
有り難う御座いました。