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寄り道好きのユキ  作者: ソドムとゴモラの獣
アンテスロム氏族
91/110

シーン2

四日目。


日の出と共に起きたユキ達は、気を取り直して朝食を摂り、早速罠の確認に向かった。


罠には───


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。


───雪角竜が掛かっていた。


挿絵(By みてみん)


数は・・・10匹だ。


中々の数だ。


どうやら群れごと掛かったらしい。


ユキ達は一人一匹とどめを刺して解体した。


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。


日が暮れ、夕食の時間になる。


ユキ達は一人一人が自分でトドメから解体までした雪角竜の肉を、思い思いの方法で食べていた。


多くは手持ちの鉄串に刺したり、熱した石で焼いたり、鍋で煮たりしていたが、ユキの親友であるユアクだけは違った。


ユキ:

「ふむ、レアク。

これは何をしているのですか?」


レアク:

「ん?

炒めてるだけだけど?」


レアクは手持ちの野菜と一緒に、比較的平らな手持ちの鉄鍋で、雪角竜の肉を薄くスライスして炒めていた。


肉の脂を吸った野菜の良い臭いがする。


ユキ:

「なるほど・・・。

聞いたことはありましたが、実際に炒めるという調理法を見たのは初めてですね。」


レアク:

「まぁ、基本的に煮るか焼くだけだもんね。

コレも先生からの受け売りでさ。

せっかく経費で油が使えるんだから、やってみようかってね。

・・・ていうか、アンタ”炒める”って知ってたんだ。」


ユキ:

「ウチでも野菜は食べますからね。

エディが嫌がるので、あまり並びませんが。」


レアク:

「こんなに美味しいのにねぇ・・・。

嫌いなら仕方ないけど、エディ様も大概かわいそうよね。」


ユキ:

「そのことに全く異論は無いのですが、実は私にも苦手なものがありましてね。

そういう意味では私も可哀想かもしれませんよ?」


レアク:

「へぇ、アンタに苦手なものなんてあったんだ。

で、それ何?」


ユキ:

「虫です。」


レアクは口に入れていた野菜やら肉やらを吹き出しかけた。


レアク:

「アンタそれ・・・好きな奴の方が少ないんじゃない?」


ユキ:

「不思議ですよね。

別に毒があるワケでも無い上、飢爺が言うにはモノによっては滋養に良いらしいのですが、それでも食べる気がしません。」


レアク:

「まぁ・・・造形がね。

見た目が完全に外なる神々系列だもん。

きっと創造主たる神様が、そう私達をお創りになられたんじゃない?」


ユキ:

「もはや呪詛ですね。

それはさておきレアク、炒めたものを分けて貰えませんか?

ホラ、私が焼いた肉あげますから。」


レアク:

「2ー1ね。」


ユキ:

「・・・いいでしょう。」


ユキは結構な大きさの肉をレアクに渡して、その半分くらいの量の炒め物を貰った。


レアクから貰った炒め物は、野菜の甘味と肉の旨味が絶妙に調和して実に美味だった。


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。


夜間、自然現象と夜襲に同時に襲われた。


かなり運が悪い。


襲われた自然現象は・・・白夜だ。


季節はずれだが、まぁ変な神格の干渉で起こらないこともない。


一晩中、日中のような明るさに包まれる。


かなり眩しい。


ユキも含め、眠っていたユキ達は起きてしまった。


夜襲をしてきたのは・・・雪鼠だ。


挿絵(By みてみん)


白夜で、気でも狂ったのだろうか?


数は・・・7匹だ。


数は少ない。


白夜で眠れず、起きていたユキ達は、特に夜襲に慌てることなく雪鼠たちを夜食にした。


雪鼠は序列関係なく、仕留めた人間が夜食にした。


仕留め損なった人間は、ユキが特別に干し肉を戻すして食べることを許した。


物理的に明るい夜が更けていく・・・。


────────────────────


五日目。


結局一晩徹夜した形になったユキ達は、朝食を摂ると罠の確認に向かった。


罠には───


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。


───何も掛かっていなかった。


まぁ、そういうこともある。


罠が不発に終わったので、ユキ達は獣の痕跡を探る。


痕跡は───


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。


───何も無かった。


今日もツイてない。


夕食は干し肉を戻して食べた。


・・・。

・・・・・・。

・・・・・・・・・。


夜間、幻聴とポルターガイストに襲われた。


恐らく霊的な干渉である。


本来、霊に対するには専門的な備えが必要だが、ユキはどういう訳かこの手の現象に強い。


ユキが怒ったように咆哮を上げると、霊的な干渉が弾き飛ばされたかのように、幻聴やポルターガイストがピタリと止んだ。


ダン:

「どういう原理なんだ?それ。」


レアク:

「ダンさん、この手のユキの行動については深く考えない方が身の為よ?

なに、専門職の人でも一喝で霊を飛ばす人とか居るし、同じ原理よ。」


ダン:

「なるほどな。

俺も飛ばせるかな・・・。」


レアク:

「えっと・・・そうね。

やってみる価値はあるかもしれないけど、よっぽどの場合じゃなければ専門職の呪術師とか祈祷師とかに お祓いを頼んだ方がいいと思うわ。

もしやるにしても、呪われる可能性を考慮して専門職の人の付き添いを頼んだ方が・・・───」


ダンとレアクが霊的な干渉に対する対処について話し始めた。


まだ距離感は感じるが、お互いに歩み寄ろうとする姿勢は見えるので、狼族にとっても狐族にとっても良い兆候だとユキは思った。

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