凍てつく樹海 狩猟シーン1
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パワハラ命令を託したゲンタとその仲間達(隊の大狼)を見送ったユキは、残った9人の仲間達に声を掛けた。
ユキ:
「さて、ゲンタも頑張ることですし、我々も頑張りますか。
ジャグが言ったように、我々の手持ちは心許ありません。
だからこそ、狩りをして価値の高い物資を数多く確保する必要があります。
というわけで、我々は樹海に出て狩りをします。
異論あります?」
特に異論は無かった。
ユキ:
「では行きましょう。
今すぐ行きましょう。
今の私は躰を動かしたくてたまりません。」
魔術の師であるデイラの下での数刻(数時間)の魔術の勉強を終えて、躰の鈍りを感じているユキは、いつも以上にウキウキした様子で、元から部下の4人と新しく部下になった旧知の5人を引き連れて、狩場である樹海へと向かった。
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ユキ達が狩場といえる程、深く樹海に潜った頃には、既に時刻は正午を過ぎていた。
この時間帯から獣を仕留めるのは難しいと判断したユキは、補給のついでに仕入させた罠を部下達に仕掛けさせた。
仕掛けが終わる頃には、すっかり日が暮れ始めていた。
ユキはビンドを中心とした部下達に野営の準備をさせると、焚き火の前に陣取った。
ミランダが部隊の干し肉を鍋で戻し始め、切り分けたものを目に付いた人間から手当たり次第に配っていく。
手当たり次第とは言っても、一番偉い十人隊長であるユキの下には一番最初に配給される。
これは部隊の副官であるダンが強く希望したことであり、特にそこら辺に拘りの無かったユキは、好きにさせることにした。
そんな副官のダンは、自身には最後に配給するようにも希望している。
なんでも責任を自覚するために、兵糧が不足したときは真っ先に飯が無くなる立場に居たいとのこと。
真面目なのは結構だが、躰を壊さないかユキは心配になった。
食事は終始穏やかな雰囲気で進んだ。
どうやら狐族は、この部隊に少しは馴染んだようだ。
やがて夜も深くなり、夜番を決めて就寝した。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
一日目。
特に何事も無く夜を越えたユキ達は、罠を確認しに朝早く起きる。
朝食を口にすると、早速罠の確認に向かった。
罠には───
・・・。
───何も掛かっていなかった。
残念だが、仕方が無い。
ユキは罠に見切りをつけて、部下達に獣の痕跡を探させた。
自分でも痕跡を探す。
痕跡は───
・・・。
───特に見当たらなかった。
・・・どうも、今日はついていないようだ。
ユキ達は夕食を食べると就寝した。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
二日目。
特に何事も無く夜を超えたユキ達は、朝食を食べると罠の確認に向かう。
罠には───
・・・。
───雪熊が掛かっていた。
しかも、当たり所か何かが悪かったのか、既に事切れていた。
ユキは適当に目に付いた2~3人の部下に解体を任せた。
ユキ達は雪熊の素材を手に入れた!
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
日が沈んだ頃、ユキ達は雪熊の肉を分け合って食らった。
今回は生で食べた。
時間を掛けて下処理をしただけあって、味にクセこそあっても十分旨い。
口まわりが肉汁塗れになったが、ユキは満足した。
食べ終えると、ユキ達は夜番を決めて就寝した。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
夜間、不意に誰かが叫ぶ声が聞こえた。
ユキが飛び起きると、周りの部下達が騒いでいた。
肝心の部下達を見ると、何も無い空間と戦っている。
見えない何かが居るとか、そういうワケでもなく、本当に何も無い。
幻覚毒を摂らせた覚えは無いので、どうやら何か得体の知れない神格に干渉されているようだ。
まぁ、偶にはそういうこともある。
ユキは幻覚に襲われている部下達を、片っ端から張り倒して気絶させた。
結局、その後の夜番は全てユキがやった。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
三日目。
朝になり、隊員達が気絶から起き始めると、部下達は口々に謝罪の言葉を述べた。
正直、神格の干渉による醜態など災難以外の何ものでもないので、ユキは慰める言葉を各々に掛けて許した。
お通夜な雰囲気の朝食を終える。
朝の罠チェックが始まる。
罠には───
・・・。
───何も掛かって無かった。
残念だ。
気を取り直して、ユキ達は痕跡を探す。
痕跡は───
・・・。
───本当に何も無かった。
今日は本当にツイていないようだ。
無言の夕食を終える。
夜番を決めて就寝する。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
夜間には何も無かった。




