シーン6
<あらすじ>
ユキは魔術の先生から見ても怖い。
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ユキ:
【氷の弾丸よ、貫け。】
ユキが発した呪文に反応して、ユキの掌に指先大の氷の塊が生成され、鋭い回転をしながら的に命中する。
デイラ:
「素晴らしい。
ものの数刻(数時間)で初級魔術を習得するとは・・・空恐ろしいものを感じますね。」
ユキ:
「いやぁ~、それほどでもあります。
ですが、それもこれもデイラ先生の教え方が良いせいですよ。」
デイラ:
「どれだけ教え方が良くても、最低でも数年は習得期間が必要な初級魔術を数刻は不可能です。
貴方の恐るべき才覚のなせるワザですよ。
もっとそれを自覚し、律するべきです。」
ユキ:
「つまり・・・恐ろしいくらい私が凄いってコト・・・ですか?」
デイラ:
「・・・概ねそうです。」
ユキ:
「流石の私も照れてしまいますよ~。」
デイラ:
「貴方の底抜けのポジティブさには感心すら覚えますよ・・・。」
ユキ:
「いやですね、先生。
さては私を褒め殺す気ですね?
そうはいきませんよ?
殺されない内に、レアクや部下達と合流してやります。
それでデイラ先生の恐るべき計画はご破算です。」
デイラ:
「はいはい・・・行ってあげなさい。
婆はいつでも この屋敷で待っていますからね。」
ユキ:
「はい!
レアクに<氷の弾丸>を習得したって自慢してやります。」
デイラ:
「程々にして下さいね。」
その言葉を背に、ユキは元来た道を走り出した。
・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。
ユキ:
「レアク~、<氷の弾丸>教えて貰ってきましたよ~。」
【氷の弾丸よ、貫け。】
<氷の弾丸>が、レアクと部下達を縫うように飛び、最終的に外の地面に突き刺さった。
レアク:
「あっぶな!!
ちょっとアンタ!魔術の使い方には気を付けなさい!
いつかミスって誰か殺しても知らないわよ!」
ユキ:
「狙っていないんだから当たりませんよ・・・。
レアクは心配性ですね。」
レアク:
「これは当たるか当たらないかの問題じゃないの!
魔術師としての心構えのようなものよ!?
アンタ倫理観どうなってんの!?」
ユキ:
「師いわく、私は倫理観がぶっ壊れていても問題ないそうです。
しかし、貴方の言い分が正しいことも確かでしょう。
そこは認めます。」
レアク:
「そう・・・。
ならこれからは魔術を撃つときは周りに気を付けることね。」
ユキ:
「それはそれ、これはこれです。
こんな楽しい玩具、私が遊ばないワケないじゃないですか?」
レアク:
「アンタねぇ・・・。」
ユキ:
「そんなことより・・・ダン達に例の話は通してくれましたか?」
レアク:
「また流そうとしてるでしょ、今度じっくり話し合いましょう?
そうね、例の話は通したわ。
というか、アナタが大体通してくれてたみたいね。
狐族からユキの隊に5人出すって話。」
ユキ:
「まぁ、行きにあらましくらいは。」
レアク:
「それだけ話せば十分でしょ、余計な手間を掛けさせるわね。
・・・そろそろ他の4人も来る頃よ。」
レアクがそう言うと、本当に数分後には狐族の若者が4人訪れた。
ユキは訪れた狐族の若者達に指示を出すと、横一列に並ばせた。
ユキ:
「では皆に紹介しましょう。
左から例のギーリ、私の妹分です。
アホですが、厄介なことに、それなりに腕が立つ上、悪運もあります。」
ギーリ:
「姐さん!
そんな紹介酷いですよ!!
俺は誰よりも姐さんが好きなのに!」
ユキは無言でギーリをはたいた。
ユキ:
「次にヴァザン。
口数こそ少ないですが、感情表現豊かな面白い女です。」
ヴァザン:
「・・・よろしく。」
銀髪の少女が軽く頭を下げた。
ユキ:
「次がガレドグ。
デカイですが、一応狐族で、魔術も剣も出来る中々凄い奴です。」
ガレドグ:
「・・・。」
巨躯で赤髪の青年が軽く頭を下げる。
ユキ:
「そして最後が我が親友、レアクです。
魔術を得意とし、雑学も豊富な楽しい奴です。」
レアク:
「フフン!
宜しくお願いしますね!」
ユキ:
「じゃあ紹介はこのくらいにして、装備面の確認を───」
???:
「ちょっと、ユキ!
俺っちの紹介は!?」
ユキ:
「くっ、何やら幻聴が聞こえますね。
先日もあった神格からの干渉でしょうか・・・。」
???:
「聞こえてるよね!?
おーい、聞こえてるかなぁ~!!」
ユキは耳元で大声を張り上げた狐族の青年の頭をはたいた。
ユキ:
「五月蠅いですよ!
人の耳元で そんなに大声を張り上げるなんて!
常識がなっていませんね!!」
そう言って、ユキは青年に関節技を極める。
???:
「イテテテテ!!
理不尽!
理不尽だから!!」
ユキ:
「あ、コイツはジルアと言います。
ワケあって私の下僕なんで、宜しく。
ホラ、挨拶しなさい下郎。」
ジルア:
「アダダダダ!
宜しくね、みんな!
イダダダダ!!」
黒髪の狐族は、苦悶の声を上げながら挨拶した。




