表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
寄り道好きのユキ  作者: ソドムとゴモラの獣
アンテスロム氏族
60/110

シーン6

<あらすじ>

 孤児院に泊まった。

 早朝、孤児院前で部下と集合。


────────────────────


───孤児院───


早朝、ユキは孤児院の前で部下を待っていた。


意外なことに、最も早く来たのは反抗的だったダンだった。


ユキ:

「早かったですね。

もう一度 殴り飛ばさないと、貴方は素直に来ないと思っていましたが・・・。」


ダン:

「・・・悔しいが、あれだけ実力差があるのに従わないわけにはいかない。」


ダンの態度はハッキリとしたものだった。


気のせいか、表情も幾らかスッキリとしているようにも見える。


ユキはダンに対する評価を幾らか改めた。


ユキ:

「ふむ、雑魚というのは改めざるを得ないようですね。

クソ真面目。」


ダン:

「・・・もしかして、それは何か改めたのか?」


そうしてユキがダンにダル絡みしていると、暫くして部下達が集まってきた。


ユキ:

「よし、全員 集まったようですね!

それでは方針を発表します。」


ユキは近くの”薬神の迷宮”に敵が潜んでいるらしいので、全員で殴り込みに行く旨の話をした。


ユキ:

「──・・・というわけで、その”薬神の迷宮”にカチコミを掛けます。

私一人でも十分過ぎるほどですが、私が使えると判断した貴方達がいれば もっと楽勝でしょう。」


そこでダンが待ったを掛けた。


ダン:

「話は分かったが・・・ユキ、お前が戦士だというなら欠かしてはならない予定を忘れているぞ。」


ユキ:

「はて?

皆で魔物狩りでもしますか?」


ダン:

「俺は良いと思うが・・・違う。

戦士というからには団体行動が基本だ。

規律を重んじ、毎日の調練を欠かさず行う。」


ユキ:

「なるほど・・・クソ真面目はクソ真面目ですね。

ですが私は さっき話したように”薬神の迷宮”にカチコミを掛けたい。

それを止めろとでも言うのですか?」


ダン:

「止めろとは言わない。

戦士の本分は戦いにある。

だが、俺が言いたいのは規律を重んじるべきということだ。

お前の言い分を通すのなら、裁量のある百人長に直談判すべきだ。」


ユキ:

「ふむ、続けて?」


ダン:

「だから我々は、お前の言うように”薬神の迷宮”に殴り込む前に、近隣の部隊が集まる”調練場”に顔を出す必要がある。」


ユキ:

「”調練場”は修練場とは違うんですか?」


ダン:

「研鑽を積むという意味では同じと言える。

ただ違うのは、”調練場”は部隊としての戦い方を磨く場所で、修練場というのは個人としての戦い方を磨く場所ということだ。

・・・なんで こんなことを知らないんだ?」


ユキ:

「ふん!」


ユキはダンを殴打した。


ダン:

「痛ぁ!」


ユキ:

「規律を重んじるというなら、隊長に舐めた口を利くんじゃありませんよ。

・・・まぁ、貴方の知識が優れているということは分かりました。

頼りにしますよ、クソ真面目。」


ダン:

「・・・善処する。」


ダンは殴られた部分を摺り合わせながら言った。


ユキ:

「では、クソ真面目の提言を受けて、調練場に顔を出します。

クソ真面目!

言い出しっぺなんですから案内して下さい。」


ユキは部下達を連れて、ダンに先導されながら歩き出した。


───調練場───


ユキ達が調練場に顔を出すと、既に沢山の部隊が合同で訓練をしているところだった。


ユキはキョロキョロと辺りを見渡した後、ヒマそうにしていた一人の男性に声を掛けた。


ユキ:

「そこの貴方。

ここは どう利用すればいいか教えて下さい。」


ユキに声を掛けられた男:

「あ?

なんだ貴様ら?

調練に遅れて来るとは懲罰ものだぞ!」


ユキに声を掛けられた男は、突然ユキに殴り掛かってきた。


しかしユキは その拳を躱して懐に潜り込み、腹部に強烈なカウンターをお見舞いした。


急に殴り掛かってきた男:

「う・・・ぐぅ・・・き、貴様・・・。」


ユキ:

「どう利用すればいいか聞いたんですが?」


ユキは急に殴り掛かってきた男の足を払って転ばせると、その顔面を踏み潰して気絶させた。


ユキ:

「ハッ!

雑魚が!」


ダン:

「おい・・・。」


ジャグ:

「あ~、やっちゃったよ・・・。」


ミランダ:

「元気だねぇ~。」


ビンド:

「鋭い身のこなしだ。」


部下達は三者三様の反応を示すが、半分は顔を青くしていた。


しかしユキは気にすることなく、再びキョロキョロしはじめる。


すると、ユキは ゆっくりと近づいてくる一人の男に気が付いた。


ゆっくりと近づいてきた男:

「あ~、やっちゃったねぇ~。」


ユキ:

「誰です?

私はユキというんですけど。」


ゆっくりと近づいてきた男:

「ご丁寧にどうも。

私はデナグド・・・この辺りを管轄している百人長だ。」


デナグドと名乗った男がユキの前に立つと、ユキの部下達が一斉に頭を下げた。


挿絵(By みてみん)


ダン:

「すいません、デナグドさん。

コイツは私が抑えるべきでした。」


ジャグ:

「いやホント、ゴメンなさい・・・。」


ミランダ:

「ゴメンなさい~。」


ビンド:

「お疲れさまです。」


一人だけ おかしいが おおよそデナグドに謝罪を述べた。


取り敢えずユキはダンの頭をハタいた。


ダン:

「痛ぁ!」


ユキ:

「偉そうな口を叩かないで下さいよ・・・。

それよりデナグド百人長、この男 突然 殴り掛かってきたんですけど 頭おかしいんですか?」


デナグド:

「それは君たちが調練に遅れてくるからだよ。

彼は調練の教官なんだ。

悪く思わないでやってくれ。」


ユキ:

「そうなんですか。

それは悪いことをしました。

まぁ、一重に私に刃向かったせいですが・・・。」


デナグド:

「聞くに勝る横暴だねぇ。」


デナグドはそう言うと、背後に合図して突然殴り掛かってきた男を部下に回収させた。


デナグド:

「話はダフネル先生から聞いてるよ。

君がエディ様の弟子のユキだね。」


ユキ:

「はい、そうです。

エディのクソババァの弟子のユキです。」


デナグド:

「おおぅ・・・。

エディ様のことを堂々と悪く言えるのは、この集落では君くらいだろうね。」


ユキ:

「そんなにエディが怖いですか?」


デナグド:

「そりゃあね・・・。

昔はよく半殺しにされたもんさ・・・。

ダフネル先生の扱きが天国に思えるほどに苛烈な人だからね。」


ユキ:

「まぁ沸点が低いチンピラなことは認めますよ。

でも、エディは単にケンカが好きな愛すべきバカですよ?」


デナグド:

「ハハ・・・この話題は止めようか。

・・・エディ様に聞かれたら昔みたいに半殺しにされそうだ。

昔みたいにタフじゃないから死にかねないよ。」


ユキ:

「大変ですね。

もしエディ関連で何かあったら言って下さい。

代わりにブン殴ってあげますから。」


デナグド:

「・・・本当に君は強いんだね。

私には到底マネ出来ないよ。

それより、この場所に用があったんだろう?

私が君が殴り飛ばした教官の代わりに話しを聞こうじゃないか。」


ユキ:

「この場所の利用方法を教えて下さい。」


デナグド:

「調練場の利用方法だね。

調練場は皆で訓練をするところさ。

ここではチームでどのように動くのか、どうすればより良い動きを出来るのかを学ぶことが出来る。

・・・本当は さっき君が殴り飛ばした彼が担当なんだけど・・・まぁ、ダフネル先生から君の性格は聞いてるからね。

私が特別に君の専属教官になろうじゃないか。」


ユキ:

「おぉ・・・話が分かりそうな方が担当してくれるとは助かります。

しかしダフネルは随分 私の性格を分かっているようですね。」


デナグド:

「あぁ・・・ダフネル先生からエディ様 並の苛烈さと聞いて震えたよ。」


ユキ:

「いやぁ~、照れますね。」


デナグド:

「照れるんだ・・・。」


ユキ:

「まぁ、そんなことはさておき、早速ですがデナグド百人長。

私達は五人隊としては新編になります。

最初にやるべき調練は何でしょうか?」


デナグド:

「う~ん、君たち・・・確か人数が足りなくて編成しきれなかった部隊だよねぇ。

そういうことなら調練より先にやることがあるね。」


ユキ:

「ほう・・・その やることとは?」


デナグド:

「それはもう、自分のオオカミを選ぶことさ。」


ユキの部下達:

「「おぉ!」」


デナグドが そう言った瞬間、ユキの部下達が一斉に声を上げた。


ユキ:

「え?

何です?」


ダン:

「おい、オオカミだぞ!?」


ジャグ:

「オオカミだよ!?」


ミランダ:

「オオカミ~♪オオカミ~♪」


ビンド:

「荷物が楽になりそうだね。」


ユキは部下達のテンションについていけてない。


デナグド:

「まぁ、ユキちゃんにも分かり易く言うと、騎獣だよ騎獣。」


ユキ:

「あぁ!」


しれっとデナグドは”ユキちゃん”呼びしたが、ユキは気にしなかった。


ユキ:

「それは良いですね!

遠征が楽になります。」


デナグド:

「じゃあ早速”放牧場”に行こうか。」


デナグドは背後に控えていた部下達に少し離れることを伝えると、ユキ達を連れて”放牧場”に向かった。


────────────────────


<ユキの手帳>


・氷グマ(魔物)


挿絵(By みてみん)


 パワーがイカレポンチのクソ魔物。

 戦ってみると結構 楽しかった。

 魔法も派手だから、心臓バクバクする。

 雪グマの上位種で、かなり珍しい。

 肉は上質で、痺れるような旨さがあるけど、調理が かなり難しい。

 ステーキか骨付き肉にするのがオススメ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ