シーン2
薬屋を出たユキは、新しい魔法書を求めて市場に向かった。
───市場───
ティア:
「おや、また会ったね。」
市場には いつもの場所に如何にも怪しい風貌をした行商人ティアが露店を開いていた。
ユキ:
「何です?
二度と会うことは無いだろうと思ってたかのような口振りですね?」
ティア:
「そりゃあ、近所の”鉱脈神の迷宮”に雪グマを追い込んだのは私だからね。」
ティアは何でも無いことのように言ったが、明確な黒幕宣言だった。
取り敢えずユキはティアの腹部に一発入れた。
ティア:
「グフゥ!!」
ユキ:
「何やらかしてるんですか!
このドブカスゥ!!」
ティアを一頻りボコボコにした後、スッキリしたので話を聞くことにした。
ユキ:
「・・・で?
なんで そんなことを?」
ティア:
「あ~、久しぶりに死にかけたねぇ。
なんでって、仕事だからだよ、仕事。
ま、趣味が多分に含まれてることは否定しないがね。」
ユキ:
「雇われということですか?」
ティア:
「まぁ、そんなとこさ。
だから恨まないでおくれよ。」
ユキ:
「まぁ、一頻り殴ってスッキリしたから良いですけど。」
ティア:
「ヒヒッ、話が分かるねぇ。
和解が済んだところで、”鉱脈神の迷宮”はどうだった?
感想を聞かせてくれると助かるねぇ。」
ユキ:
「そうですね・・・。
浅い迷宮に強力な魔物を放って、単純にレベルを上げるという発想は悪くないと思います。
ですが今回に限っては雪グマ1種だけの、馬鹿の一つ覚えだったのが最悪でした。
芸が無くて退屈でしたよ。」
ティア:
「辛辣だねぇ。
だけど参考になるよ。
ちなみに、アンタなら どうする?」
ユキ:
「私の答えは何時だってシンプルです。
まず、魔物の種類を増やします。
強力な魔物も悪くありませんが、弱い魔物も含めて種類が多い方が楽しいです。
また、罠を設置するのも良いと思います。
迷宮の入り組んだ構造に罠があるだけで、メリハリがあって面白いかと。」
ユキの意見を一通り聞いたティアは満足気に頷いた。
ティア:
「なるほどねぇ・・・。
種類を揃えるのは大変そうだけど、罠を設置するのは簡単そうだ。
次からは罠を用意しておくよ。
種類は・・・まぁ後々ね。」
ユキ:
「・・・また やるんですか?
殺して下さいと言っているようなものですよ?」
ティア:
「私は死なないよ?
魔法書を賭けても良い。」
ユキ:
「そこまでですか・・・。
よほど自信があるようですね。
まぁ、今回は見逃してあげますよ。
次やったら手加減出来ませんからね。」
ティア:
「はいはい・・・まぁ落ち着いて商品でも見ていきなよ。
今日も魔法書をお望みかい?」
ユキ:
「勿論です、最近実入りが良いんですよ。
あ、そうだ。
以前 購入した魔法書を読み終えたんですけど、買い取って貰えますか?」
ティア:
「へぇ、もう解読しちゃったのかい。
まぁ、現物が戻ってくるなら文句は無いよ。
買取価格は50銀でどうだい?」
ユキ:
「何言っているんですか?
見逃してあげてるんですよ?
2金50銀で買い取って下さい。」
ティア:
「・・・このままいくと1金50銀で落ち着きそうだねぇ。」
ユキ:
「気付いてしまいましたか・・・。
2金でも構いませんよ?」
ティア:
「なんで値が上がるんだい・・・。
分かったよ、1金50銀で良いよ・・・。」
ユキ:
「フフ、話が分かりますね。
さぁ、商品を見せて下さい。」
そう言うとユキは商品を物色し始めた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
食料
->効果:一食分の食料
->内容:煮沸された水と干し肉
->値段:10銅
<氷生成>の魔法書
->効果:解読により<氷生成>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<氷の手>の魔法書
->効果:解読により<氷の手>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<雪玉>の魔法書
->効果:解読により<雪玉>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<腐食の手>の魔法書
->効果:解読により<腐食の手>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<熱する手>の魔法書
->効果:解読により<熱する手>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<着火>の魔法書
->効果:解読により<着火>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<石生成>の魔法書
->効果:解読により<石生成>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<水生成>の魔法書
->効果:解読により<水生成>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<送風>の魔法書
->効果:解読により<送風>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
<静電気>の魔法書
->効果:解読により<静電気>を習得する。
->値段:3金
->売値:1金50銀
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ユキ:
「取り敢えず<着火>と<熱する手>、<腐食の手>の魔法書を返しますよ。
<石生成>と<水生成>、<送風>、<静電気>の魔法書を下さい。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<売却>
・<石生成>の魔法書:3金
・<水生成>の魔法書:3金
・<送風>の魔法書:3金
・<静電気>の魔法書:3金
<買取>
・<着火>の魔法書:1金50銀
・<熱する手>の魔法書:1金50銀
・<腐食の手>の魔法書:1金50銀
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計:12金 - 4金50銀 = 7金50銀
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ティア:
「あいよ。
これで魔法書コンプリートだねぇ。
ご愛顧に感謝して、次からは新しい魔法書でも仕入れてみるよ。」
ユキ:
「頼みますよ。
私の数少ない楽しみなんですから。」
ユキは金貨7枚と銀貨50枚を渡し、4冊の魔法書を手に入れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<所持金>
・金貨:4
・銀貨:99
・銅貨:39
・鉄貨:1
<バック>
・特大の革袋->容量:40枠
1.持久の薬草×14
2.魔力の薬草×7
3.雪グマの耳×5
4.氷グマの耳
5.<石生成>の魔法書
6.<水生成>の魔法書
7.<送風>の魔法書
8.<静電気>の魔法書
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ティア:
「じゃあ、またね。
次は”薬神の迷宮”だろう?
楽しんでね。」
ユキ:
「・・・もしかして、また貴方が何か仕掛けてるんですか?」
ティア:
「まぁ、そんなところだねぇ。」
ユキ:
「フンッ!」
ティア:
「グフゥ!!」
ユキはティアを殴打した。
ユキ:
「次は手加減できないって、私 言いましたよね?」
ティア:
「フフッ・・・私は死なないよ?
やれるもんなら殺ってみな?」
ユキはティアを本気で殺しに掛かった。
──────
<ユキの手帳>
・氷生成(魔法)
掌に拳大の氷を生成する基礎魔法。
行商で偶に流れてくる魔法書を何とか解読して覚えた。
飲み物に氷を入れたい時とか便利。




