移動シーン9
読みにくいので1部につき1日のエピソードに変更。
───── 四日目 ─────
ジルア:
「イェ~イ、治ったぜ~!」
翌日、ユキ達の前には綺麗に傷が治ったジルアが立っていた。
湯を使って全身の血を洗い流した影響か、肌艶も良い。
ダン:
「まさか本当に完治するとは・・・。」
ユキ:
「昔からコイツ、変な能力を持ってるんですよね・・・。」
ダン:
(魔法の類いか?)
ユキ:
(恐らく。)
ジルア:
「おや~、俺っちに内緒で何を話し込んでいるのかなぁ~?」
ユキ:
「・・・貴方の不死性の限界は、恐らくティアより弱いのでしょうね。」
ジルアはゾッとした。
このまま おちょくり続けると、件のティアのように首根っこを物理的に引っこ抜かれると理解して 大人しくなった。
ユキ達は軽く朝食を摂り、陣を畳んで出立する。
移動中には───
1~5.何も無かった。
6~9.獣に遭遇した。
10.自然災害に遭った。
1D10=6
───獣に遭遇した。
遭遇した獣は───
1~4.小型
5~7.中型
8~9.大型
10.特大
1D10=9
───大型の・・・───
1.雪熊
2.雪狼
3.雪猪
4.雪馴鹿
1D4=2
───雪狼である。
数は・・・───
1D8=7
───大きめの群れだ。
ユキ:
「固まれ!
隙を見せるな!」
ユキの怒号が響く。
相手の方が少数とはいえ、展開次第では大損害を負う可能性もある為油断は出来ない。
相手の群れと並走するような形で、ユキの隊は駆ける。
ユキ:
(とはいえ私達が上に乗っている分、手数が有利なのは変わらない。)
逆を言えば上に乗っている分、機動力と持久力に劣るということでもあるから、早めに決着を付けなくてはならない。
ユキはハンドサインを部下達に送る。
すると部下達は、自身の雪狼の脇腹に備え付けられている巨大な筒に手を伸ばした。
そしてそのまま待機の姿勢を維持する。
ユキ:
「今!!」
地形の起伏で相手の群れの勢いが削がれた一瞬を狙って、ユキはゲンタの脇腹に備え付けられていた筒から投槍器(槍投げ用の長い棒)と投槍を取り出すと、投槍器に投槍を番えて放った。
投槍は空気を切り裂く音をして相手の群れに迫る。
その威力は圧倒的で、運悪くユキに狙われた雪狼の頭部を完全に貫通した。
そして部下達も僅かに遅れて投擲する。
結果は───
1D7=6
───1匹を除いて全ての雪狼に命中し、その命を奪った。
ユキは最後の一匹を───
1.逃がした。
2.手ずから仕留めた。
3.手懐けた。
1D3=1
───逃がした。
雪狼は樹海の生態系の中でも上位に位置する種だ。
運悪く最上位の亜竜種にでも遭遇しない限り、早晩 他の群れに合流するだろう。
ユキは他の獣が寄ってこないか見ながら、部下達に仕留めた雪狼の解体を命じた。
他の獣が寄ってきたかどうか───
1~7.大丈夫だった。
8~10.寄ってきた。
1D10=10
───寄ってきた。
寄ってきたのは───
1~4.小型
5~7.中型
8~9.大型
10.特大
1D10=2
───小型の・・・───
1.雪兎
2.雪蛙
3.雪鼠
1D3=2
───雪蛙である。
数は・・・───
1D30=1
───はぐれた個体だろうか。
見張っていたユキに頭部を踏み潰されて終わった。
せっかくなのでユキが手ずから解体し、刺身として食べながら見張りの続きを再開した。
プリプリとした食感と脂の旨味がクセになる。
やがて解体が終わり、肉の処理をしていると日が暮れ始めた。
持ち運べない分の肉を食べてしまおうと野営の準備を始める。
ユキは湿った枝を掴みながら呪文を唱える。
【熱せよ、そして乾かせ。】
『熱する手』の呪文が唱えられ、その手の中にある湿った枝が蒸気を立てて乾いていった。
レアク:
「基本的な初級魔術にしてはやるじゃない。
それ応用呪文でしょ。」
【薪を乾かせ。】
より専門的な魔術である【乾燥】の魔術で薪を束で乾かしながらレアクが言う。
魔術、特に戦闘力を持たない基礎魔術は、こういった痒いところに手が届くのが便利だ。
初級、基礎といった評価に対して、アルゴリズムが難解な複雑なものもあるので、実用性的にも もっと評価されるべきと思うことはある。
ユキ:
「初級魔術だけが習得を許される場合、こういった小手先の技を極める他ありませんから。
結構 面白いのですよ、コレ。」
レアク:
「ふぅん、アンタの才能を考えると良い教育方針だったのかもね。」
ユキ:
「どういう意味です?」
レアク:
「だってアンタなら上級の呪文でも簡単に理解しちゃうでしょうし、そうなったら基礎を極めようとは思わないでしょ?
そうなったら宝の持ち腐れじゃない。」
ユキ:
「ふむ、思ったより貴方は私の凄さを理解してくれているのですね。」
レアク:
「えぇ・・・まぁ。
アンタと張り合うのを諦めるくらいには、アンタの才能を認めているつもりよ。」
ユキ:
「ふふん。
私と張り合うのは鼠が毛象と背比べをするようなものですからね。
諦めるのは正解ですよ。」
レアク:
「腹立つ。」
ユキ:
「とはいえ、毛象は鼠のように俊敏に動けないのは確かです。
貴方には貴方の凄さがあるのですよ、レアク。」
レアク:
「そうかしら。」
ユキ:
「えぇ、そうですとも。
いつか私に奴隷のように働かされれば、嫌でも理解しますよ。」
レアク:
「・・・貴方には何が見えているのかしら。
私は貴方と同じものを見つめていると思っていたけど、偶に分からなくなるわ。」
ユキ:
「私の考えていることは いつだって単純ですよ。
ただ大きくなりたいだけです。」
レアク:
「そう。」
薪の準備が終わり、夕食が始まる。
今日のメニューは───
1.雪狼の串焼き
2.雪狼の炒め物
3.雪狼の煮物
4.雪狼の揚げ物
1D4=2
───雪狼の炒め物。
雪狼の炒め物は、雪狼の肉ブロックを食べやすいようにスライスして平鍋で炒めることで出来上がる。
硬く、クセのある肉だが、食い意地の張っているユキとミランダは下処理をすることで美味しく食べられることを知っていた。
雪狼を友とする上流階級の人間からは忌避される雪狼料理だが、泥水を啜るような生活をしている下流階級の人間や、同胞であるはずの雪狼からは特にそういうのは無い。
今も、ユキ達が駆る雪狼達が、雪狼の肉と知っているはずなのに与えられた骨付き肉を喜んで貪っていた。
特にゲンタは、太腿の一番良い肉をユキから与えられて大喜びしていた。
ダン:
「う~ん・・・雪狼の肉か・・・。
俺はあまり好かんな・・・。」
ビンド:
「そう?
美味しいよ?」
ダン:
「お前は良く食べられるな・・・。」
実家が互いに太いダンとビンドでも反応の分かれる肉だった。
ダンは口にする際に自身の雪狼を連想してしまうが、ビンドには特にそれがない。
上流階級の人間の反応としては、ダンの方が一般的だろう。
ビンドは ちょっと参考にならない。
ビンド:
「まぁでも、従者視点で言うと主人に好んで供される肉では無いかな。
ダンみたいに気にする人も多いしね。」
ユキ:
「ダンは繊細ですね。」
ミランダ:
「美味しいのにねぇ。」
ダン:
「・・・ミランダ、悪いが干し肉をくれるか?
俺にはそっちの方がマシだ。」
ミランダ:
「はいはい。」
ユキ:
「う~ん、これは課題ですね。
いつか軍を持てるようになったら斃れた雪狼は解体して兵糧に加えてしまおうと考えていましたが、ダンの方が一般的なら止めておいた方が良いかもしれません。」
ダン:
「うっぷ・・・想像したら吐き気が・・・。」
ビンド:
「若輩者の意見だけど、ダンくらいの出身なら指揮官クラスの人間が多いから、雪狼の肉は雑兵の食事として出せば良いんじゃないかな。
後はそうだね。
食べる前に斃れた雪狼を弔う儀式を挟むことで、罪悪感と抵抗感が消えるんじゃないかな。
ほら、食べることで追悼が完成する的な。」
ユキ:
「ビンド・・・貴方はこういうことには天才的ですね。
参考になりますよ。」
ビンド:
「気に入ったのなら良かったよ。」
ダン:
「・・・ミランダ、水はあるか・・・?」
ミランダ:
「はいはい。」
夜は更けていった。
不寝番と その順番を決め、就寝に入る。
夜間に何かあったかの判定───
1~6.何も無かった。
7~9.獣に遭遇した。
10.自然災害に遭った。
1D10=9
───獣に遭遇した。
遭遇した獣は───
1~4.小型
5~7.中型
8~9.大型
10.特大
1D10=7
───中型の・・・───
1.雪蛞蝓
2.雪狐
3.雪鹿
4.雪犬
5.雪角竜
1D5=4
───雪犬である。
数は・・・───
1D16=9
─── 9匹。
中くらいの群れだ。
不寝番は───
1.ユキ
2.ダン
3.ジャグ
4.ミランダ
5.ビンド
6.ギーリ
7.レアク
8.ヴァザン
9.ガレドグ
10.ジルア
3D10=9,8,10
───ガレドグとヴァザンとジルア。
展開は───
1~2.問題なく勝利した。
3~4.誰かが怪我を負ったが、勝利した。
5.事故って全滅しかける。
1D5=2
───問題なく勝利した。
ガレドグ:
「・・・。(大剣の血糊を装備で拭き取る音)」
ヴァザン:
「雑魚どもめ。(ナイフの血糊を拭き取りながら)」
ジルア:
「・・・。(戦鎌を雪犬の死骸から抜き取りながら気まずい顔)」
ガレドグとヴァザンというコミュニケーション難易度100越えの二人を前に、ジルアはユキの悪意タップリの笑顔が脳裏に浮かぶようだった。
ジルア:
(なんで俺がこんな目に・・・。)
さしものジルアも思わず素の口調に戻るレベル。
確率の交通事故。
ジルア:
「あ~、二人とも。
雪犬 俺が捌くけど・・・食う?」
ガレドグ:
「・・・。(コクリ)」
ヴァザン:
「すっこんでろ、カス。」
ジルア:
(こういうときのヴァザンって好意的に捉えていいんだよな?)
明らかに睨まれている気がするが、ユキなら物凄く好意的に翻訳してくれる気がする。
なので、とりあえず何も言わず雪犬を捌き始める。
すると、暫くして二人が捌き終わった雪犬の肉を持ってきた。
ガレドグ:
「・・・。(肉を差し出す)」
ヴァザン:
「遅い。(肉を差し出す)」
ジルア:
「お前ら・・・(嬉)。」
相変わらずコミュニケーションはゴミだが、確かに二人の優しさを感じたジルアだった。
~~~~~ Tips:ユキのヴァザン語 翻訳講座 ~~~~~
「すっこんでろ、カス。」
↓
「私も手伝います。」
「遅い。」
↓
「お待たせしました。」
10面ダイスの確率の収束がイカれてる。
30%何回引くねん。
歪んでんのかな、このダイス・・・?




