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寄り道好きのユキ  作者: ソドムとゴモラの獣
アンテスロム氏族
101/110

シーン9

酒場で宿をとって、そのまま夜を明かしたユキは、早朝 部下と合流した。

開口一番、昨日 練った計画を口にする。


ユキ:

「───というわけで、我々は準備を整え、近隣の集落を襲います!」


ダン:

「言い方というものがあるだろう。

これは・・・そう。 正当な抗議行動だ。 ・・・そうだろう?」


ユキ:

「フフン♪ 貴方も大分 発想が柔軟になってきましたね。 嬉しいですよ。」


ダン:

「・・・フン。」


ダンは照れ臭いのか気に食わないのか そっぽを向いてしまった。


ユキ:

「さて、やることは沢山あります。

ミランダ! 必要分の食料を確保して下さい!

足りなくなったら、貴方の肉を削ぎ落して食ってやりますからね!」


ミランダ:

「分かった!」


ユキ:

「ジャグ! 遠征用の装備を揃えて下さい!

抜けがあったら、指を切り落としてやりますよ!」


ジャグ:

「了解!」


ユキ:

「ビンド! 陣の設営に必要な資材の用意を!

不備があったら、歯ぁ折りますからね!」


ビンド:

「承ったよ!」


ユキ:

「そしてダン! 準備の総指揮を執って下さい!

何かあったら、骨折ります!」


ダン:

「構わんが・・・その脅し文句はいるのか?」


ユキ:

「? エディが取り敢えず部下は恐喝しておけと・・・。」


ダン:

「・・・その話は忘れろ。 多分、お前には必要ない。」


ユキ:

「ふむ、そうですか。

じゃあ止めます。 ・・・そういう訳ですから! 行動開始!!」


ユキが手をパンパンと鳴らすと、部下達は電光石火の速度で動き始める。

・・・これぞ、訓練の成果である。


レアク:

「で、私達には結局仕事は無いってワケね。」


ユキ:

「仕方ないじゃないですか。 仕事は信用によって拡大していくものです。

新参のレアク達になんて任せられません。

隊での仕事が欲しければ、これから信用を積み重ねていくことですね。」


ギーリ:

「姐さんの言葉は難しくて良く分かりません! だけど頑張ります!!」


ユキ:

「うむ。 それで良いんですよ、ギーリ。」


ヴァザン:

「虫唾が走る。」


ユキ:

「ヴァザンには他には出来ない仕事を既にあげてるでしょう?」


ヴァザンはニコッと笑顔を見せた。


ガレドグ:

「・・・。」


ユキ:

「そうですか。 期待していますよ。」


ガレドグはコクリと頷いた。


ジルア:

「よく彼と意思疎通できるね・・・。」


ユキ:

「慣れれば誰でも出来ますよ。 それよりジルアは私の雑用です。 さ、私の荷物を持って下さい。」


ジルア:

「え? この流れで?」


ユキ:

「・・・。」


ユキはジルアに近づくと、その耳元で囁いた。


ユキ:

(貴方が内通者だって この場でバラして公開処刑してやっても良いんですよ・・・?)


それを聞いたジルアは一気に顔色が悪くなる。


ジルア:

「スーッ・・・あー、何だか荷物が持ちたくなってきたなぁ~!(怒)」


ユキ:

「それでこそジルアです! よっ、下僕!」


ジルア:

「おっと、手が滑った!」


ジルアの手元から、ユキの荷物が滑り落ちた。


ユキ:

「・・・。」


ユキは無言でジルアを殴った。


ジルア:

「ゴホォ!」


吹き飛ぶジルア。


ユキ:

「・・・起きろ。 荷物を持て。」


ジルア:

「・・・分かったよ。」


レアク:

「相変わらず人使いが荒いわね。 裏切られても文句は言えないわよ?」


ユキ:

「大丈夫です。 最初から裏切り者みたいなものですから。」


レアク:

「なにそれ?」


ジルア:

「・・・。」


真実を知るジルアだけが気まずい顔をする。

ユキはただ、明後日の方向を見るだけだった。

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