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寄り道好きのユキ  作者: ソドムとゴモラの獣
アンテスロム氏族
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シーン8

・通貨を「生物素材や鉱物などの物資」から「貴金属や宝石」に変更。


*金塊:数キログラムの、黄金の塊。

 1つの金塊につき、数千万円 相当。

 数億~数兆円クラスの、国家予算規模の取引に使われる基本的な最大単位。


*砂金:数グラムの黄金の粒々が、数百グラム分 入った革袋を基本的に指す。

 1袋の砂金につき、数百万円 相当。

 数百万~数千万円クラスの、組織規模の取引に使われる単位。


*銀塊:数キログラムの、銀の塊。

 1つの銀塊につき、数十万円 相当。

 数十万クラスの、個人の取引としては最大規模の取引に使われる単位。


*砂銀:数グラムの銀の粒々が、数百グラム分 入った革袋を基本的に指す。

 1袋の砂銀につき、数万円 相当。

 数万クラスの、庶民の取引としては高価な取引に使われる単位。


*銅塊:数キログラムの、青銅の塊。

 1つの銅塊につき、数千円 相当。

 数千円クラスの、庶民の日常的な取引に使われる単位。


*砂銅:数グラムの青銅の粒々が、数百グラム分 入った革袋を基本的に指す。

 1袋の砂銅につき、数百円 相当。

 数百円クラスの、庶民にとっても安価な取引に使われる単位。


*鉄塊:数キログラムの、鉄の塊。

 1つの鉄塊につき、数十円 相当。

 数十円クラスの、子供の駄賃レベルの取引に使われる単位。

 取引は数百円クラスが基本的な最小なので、滅多に出回らず、基本的に武器の材料になる。


*砂鉄:数グラムの鉄の粒々が、数百グラム分 入った革袋を基本的に指す。

 1袋の砂鉄につき、数円相当。

 数円クラスの、非常に細かい取引に使われる単位。

 単価が小さい物品でも、数百円クラスまで纏めて売られていることが普通なので、仮に非常に細かい取引が発生しても滅多に登場することは無く、基本的に鉄塊と一緒に武器の材料になる。


※宝石類は未登場なので、取引相場は保留。

送り出してから数週間後、ヴァザンが戻ってきた。


調練中に声を掛けられたユキだったが、ダンに調練の指揮を引き継がせてから、報告を聞くために部隊から離れた。


ヴァザンは懐から幾つかの巻物を取り出した。


巻物の中を見てみると、そこには巻物ごとに”駐屯している部隊規模”、”集落および施設の構造と位置”、”敵組織の命令系統”と細かく記載されていた。


・・・送り出したときには、白紙の巻物どころか、ここまで詳細に報告書をしたためられる筆記用具も持っていなかったはずだ。


ユキは それだけでヴァザンがリリィに接触したことを察した。


ユキ:

「ふむ、なるほど。

想像以上の成果です、ヴァザン。

・・・それはそうと、リリィは元気にしていましたか?」


ユキがヴァザンの頭を撫でてやると、ヴァザンが顔をしかめる。

しかしこれは、その実リラックスしている表情だ。


ヴァザン:

「あぁ、元気にしていた。

しかし忙しさのあまり、満足な対応はして貰えなかったな。」


責めているようなヴァザンの口調。

だがこれは、その実 忙しくなってきたリリィを心配するからこそ出る言葉なのである。


ユキ:

「ヴァザンは優しいですね。

ですがリリィは人の上に立って初めて才覚を発揮するタイプです。

・・・心配はいりませんよ。」


ヴァザン:

「そうか。

心配して損したな。」


ユキはダンを呼び、ヴァザンも調練に参加させるように言うと、部隊を離れて酒場でヴァザンの報告書を広げた。


今回上がってきた情報を整理すると、事前にティアから伝えられていた情報と大差無かった。


どうやら”どうせ嘘しか言わないだろう”と思っていたのに裏を掛かれたようだ。


ユキは 今度あのアマに会ったら どうしてくれようか と物騒なことを考えながら、更に報告書を読み込んだ。


事前情報と大差ないと言っても、口頭で聞いた情報よりは報告書の方が遙かに情報が詰まっており、細かいとこまで作戦を詰めることが出来る。


ユキは報告書を読みながら作戦の詳細を詰め始めた。


ユキ:

(ここは こうして・・・でも そうすると、ここから こうくるから・・・先に ここを・・・)


ユキが一人で作戦を組み立てていると、不意に卓の上にジョッキが置かれた。


ユキ:

「・・・注文は してないはずですが?」


アビエド:

「違う。

昇格祝いだ。

十人長になった・・・な。」


ジョッキを手に取ってみると、中にはメニューに無いはずの果実水が入っていた。


甘い物は基本的にユキの好物である。


どうやら祝ってくれているのは本当のようだ。


ユキ:

「おや、果実水を仕入れたんですか?

私、蜂蜜酒より こっちの方が好きなんですよね~。」


アビエド:

「バカが。

俺が わざわざ そんなの仕入れるか。

お前に ついたリリィが わざわざ置いていったんだ。」


ユキ:

「へぇ、リリィが・・・。」


流石、あのダフネルに将来を嘱望されていただけあって仕事が早い。


今度あったら何か褒美を渡さなくては。


ユキ:

「まぁ、でも私の為に出してくれたのは素直に嬉しいですよ。

ありがとうございます。」


アビエド:

「ふん、礼はリリィにするんだな。

あんなに気力に満ちたリリィを見たのは久しぶりだ。」


ユキ:

「ふむ、やはりアビエドもリリィには期待していた節ですか?」


アビエド:

「まぁな。

お前も大概だが、リリィも また、才能の怪物だったからな。

雲を得た龍のように昇格を繰り返す様は圧巻だったぞ?

・・・まぁ、千人長で躓いたがな。」


ユキ:

「何がいけなかったんでしょうね。

同僚の千人長に決闘を挑んで負けたそうですが。」


アビエド:

「まぁ、俺も詳しくは知らんが・・・何でも その同僚もリリィと同じくらいの才能の化け物だったらしい。

二人とも将来は次期族長か その補佐と期待されていただけあって、意見の食い違いは致命的だったんだろう。」


ユキ:

「はぁ、それが本当なら随分くだらないことで我が氏族は貴重な才能を失ったものです。

・・・誰か仲裁に入ろうとかする気は無かったんですか?」


アビエド:

「俺が そんなこと知るか。

リリィに聞け。」


ユキ:

「それもそうですね。

・・・それより、アビエド。

リリィへの褒美は何が良いでしょう。

少なくとも私よりは付き合いが長い貴方の意見を聞いてみたいですね。」


リリィはジョッキに注がれた果実水を口に入れた。

爽やかな甘みが広がる。


アビエド:

「砂銀(数万円の現金)で良いだろ。」


ユキ:

「・・・本気で言ってるなら、伴侶に殴られても文句は言えませんよ?」


アビエド:

「・・・ほっとけ。

軍では褒賞は銀と相場が決まってるだけだ。」


アビエドは伴侶に殴られた心当たりがあるのか、フイと顔を背けた。


ユキ:

「しかし私にはリリィが金銭で喜ぶ様子が想像できません。

・・・そうですね、今度 私の奢りで食事に誘いましょう。

アビエドも伴侶を食事に誘ってみては?」


アビエド:

「・・・そうしよう。」


アビエドは踵を返して、カウンターに戻っていった。


ユキはジョッキに再び口を付けた。


最後の方まで飲むと、果汁が溜まっていたのか滅茶苦茶 甘ったるかった。

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