社交辞令
暇なはずなのに
遅れてしまう
ソーリー
「ん~?何か忘れてるような~?」
「どうしたの?忘れ物?」
「いや、何か重要な事を忘れてる気がする・・・・・。まあいいや。さっさと控え室にでも行こっか」
「そうね」
係の人に案内され、先程の会場よりかは小さいがそれでもなかなかの広さの部屋に通された。
「それではいまから各ギルド長によるドラフトを行います。結果がわかり次第連絡に参ります、それまでは皆様のお好きなようにお過ごし下さい。それでは」
扉が閉まると皆、辺りをキョロキョロと見始めた。様子でも伺っているのだろう。同じ『チルドレン』同士で意識し合うのも無理はない。
すると、ある男が一人一人に挨拶をし回っていた。勿論、俺の所にも来た。
「ドモドモ!ワタクシ、『シャンレイ』トイイマス!ヨロシク!」
「よ、よろしく・・・・」
返事するとすぐにべつの奴に挨拶をしに行ってしまった。
シャンレイと名乗った男の影響によって他の者も近くの奴に話しかけるようになっていった。
「あ、あの!」
「ん?」
振り向くとビクビクした女性が立っていた。
「ひっ!こ、こんにちは!私、シズカっていいます!よろしくお願いします」
「どうもご丁寧に。俺はレン。こちらこそヨロシク」
シズカは挨拶が済むとペコリとお辞儀をしてから走って向こうへ行ってしまった。
「幸先いいわね!」
後ろから話しかけたのは、怖い笑顔を浮かべたレイナだった。
「お前こそ他の奴に話しかけたりとかしてんのか?」
「私、どっちかというと話しかけられる側だから。特に男に。レンこそ大丈夫?」
「俺がそんな度胸があるやつだと思うか?」
「まったく・・・・・・」
少しすると何人かが呼ばれ部屋から出ていった。
これまでに俺は数人に挨拶をされた。レイナに関しては男性を中心として30人ぐらいに挨拶されていた。
「ちょっとずつ減ってきているな」
「呼ばれる前に一人にぐらい話しかけてくれば?人の出会いは一期一会よ?」
「そんなに言うならしてくるかぁ・・・」
「イヤイヤ言わないの!」
「ん~、誰が良いかな~?」
ある程度群れている所に行くより一人でいるやつの所に行った方がハードルも低い。
と、辺りを見回すと・・・・
「お!あれとか良いんじゃね!」
その男は一人でクールに椅子に座って黄昏ていた、いけ好かないイケメンだった。
しかし、
「ど、どうも~」
「失せろ」
せっかく物腰低く話しかけてやったのにまさかの一蹴!
「なんなんだよ、あの野郎・・・・」
すると、
「オイオイ、アイツ正気じゃねぇぜ!」
「まさかザブザに話しかけるやつがいたなんてな・・・・・」
え?俺、なんかヤバいやつにでも話しかけちゃった?
気になった俺はすぐにレイナのもとにもどった。
「さっき俺が話しかけた奴ってそんなにヤバい奴なの?」
「はぁ、本当に何も知らないのね・・・。あいつはザブザ。幼少の頃からスポーツなどで優秀な成績を残すも、その狂暴過ぎる性格によって出場出来るはずの大会のうち約60%を出場禁止になっているわ」
「詳しすぎじゃね?」
「彼は新聞にも扱われているぐらい有名なのよ?さっきの情報も全部新聞に載ってるやつよ」
「俺もしかして無知過ぎ?」
そそソ@sosososodirty
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