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神の名の下に  作者: そそソ
序章
3/206

二人の『チルドレン』

今さらギラギラを聞き始めたよ。

流行とは半年のラグが絶対発生する。

「村長のご挨拶です」

「皆の衆。この度はお日柄も良く・・・・」


「ふぁ~。寝みぃなぁ~」

「こら!ちゃんとお話聞きなさい!」

「だって退屈だもん」

「まったく、昔からそうなんだから・・・・・」


「オイオイ、レイナちゃんを困らせちゃダメじゃないか、レン」

「ジアレか・・・」


ジアレはこの村の村長の孫であり、いわゆるガキ大将ポジションのやつである。どうやらレイナの事を気に入ってるらしく、よく仲良くしている俺のことを目の敵にしている。


「よう、レイナ。こんな腑抜け野郎より俺様のような男前の方が良いんじゃないか?」

「私はそうは思わないわ」

「おうおう、手厳しいなぁ。まあ、まだ焦る時ではない。この検査で俺様が『チルドレン』であれば、レイナだって振り向いてくれるはずさぁ」

「そうね、あとその排水溝みたいな音が出る喉と安物のワイン並みに濃い顔をどうにかできれば考えてあげなくもないわよ」

「ううぅ、今のはかなり効いたよ。まあ、結果を待っていたまえ」



「村長、ありがとうございました。それではこれより、検査のほうに入っていきます。名前を呼ばれた者は壇上に上がり、水晶に手をかざしてください」


「いよいよ始まったわね。毎年この村からは一人は出ているらしいわ」

「確か今年の15歳のやつは30人くらいだよな」

「そうね、30分の1の狭き門。一体誰がくぐることになるのかしら・・・・・」



「次、ジアレ。前に」

「俺様の出番のようだな!」

「ホォホォホォ!我が孫、ジアレよ!お前こそが『チルドレン』じゃぁ!」

「村長落ち着いてください!」


会場は村長だけでなく、同じ選ばれる対象の者達や見物に来ている子供達までもが盛り上がっていた。ジアレにはどうやらカリスマ性があるのでよく、村の子供達を引っ張って行動していた。みんな、ジアレが選ばれるべきと思っているのだろう。



しかし、

「ジアレさん、『チルドレン』ではありませんでした」

このセリフが会場に放たれてからは、永遠の静寂に包まれていた。

村長に至っては残りの寿命が無くなりかけているのかと錯覚するほど衰弱している。

そのまま、検査は淡々と進んでいき・・・・・・



「残りの二人・・・・・!この村からは毎年絶対に『チルドレン』を出しているのが自慢なのじゃ!絶対に一人は出てくれ!!神よ!!」

村長や村の重役たちは神頼みし始めた。毎年輩出というブランドが無くなってしまっただけで廃れてしまうほどこの村は追い込まれていたのか・・・・。


「次、レイナ。前へ」


そのとき、会場中が熱を取り戻した。レイナはこの村でずば抜けての優秀者であるため、ジアレの次に期待されているのだろう。


「レイナさん。手をかざしてください」


頼む!頼む・・・!と今、大人達は懇願してるのだろうな。

「レイナさん・・・・・。『チルドレン』と出ました。おめでとうございます」


その瞬間、会場は大盛り上がりした。あるものは飛びはね、あるものは大泣きする。いくらなんでも盛り上がり過ぎだろうと思うが、自分もレイナが『チルドレン』であって誇りに思う。


そして、最後の一人。


「レン、前へ」


「なんだ、レンか」

「帰ろ帰ろ。どうせ違うでしょ」

「あいつが『チルドレン』なわけないっしょ!」


そうである。実は俺は嫌われているのである。

というより、ジアレに嫌われているため、相対的

に嫌われてしまっているということだ。



「手をかざしてください」


まあ、選ばれなかろうが今までとは変わらんさ。


もし、選ばれたら・・・・・






「レンさん。『チルドレン』と出ました。おめでとうございます」


「!!!!!?????」


驚いたのは自分だけでないだろう。この会場にいるもの全てが驚いている。

それはただ一つの村から二人も『チルドレン』が出た、という事実だけでなく、レンという人間が『チルドレン』となったからである。


「やったわね!レン!」

「お、おう」

「あらどうしたの?嬉しく無さそうね?」

「いやいや!嬉しいよ!だけどさ、驚きすぎてね」



「これにて終了とさせていただきます。お疲れ様でした。二人だけ残ってくださいね」




「まずは『チルドレン』であったこと、大変誇りに思う。まさかこの村から二人もでるとはのぅ。

これから二人は危険な道を進むこととなるじゃろう。じゃが、お主らなら大丈夫じゃ。もし、心身共に限界になってしまってもお主らには帰る場所がある。人類代表として頑張ってくれ」

「村長、ありがとうございます!」

「あ、ありがとうございます」

あの村長がこんな真面目になって話す程、『チルドレン』という存在は思っているより名誉あることなのだろう。



「どうも、神からの使いとして来ました。カミュと申します。以後、お見知りおきを」

「よろしくお願いします」

「早速ですが、明日の朝には出発となってしまいます。今日中に支度等の方をお願いします。こんな急なスケジュールになってしまいましてすみません」

「ここから王都まで遠いですからね」


「あの~、明日からの予定的なのって・・・・」

「大丈夫でございます。明日、王都までの道のりで教えますのでご安心を」

「ああ、良かった~」






「まさか、二人とも『チルドレン』だったとはね~。神の悪戯いたずらってやつだね」

「そ、そうだな」

「あ!今夜うちでパーティーをするから絶対に来てね!」

「わかってるよ!というか家近いんだから気づかないわけないだろ!」

「あんただから言ってるのよ!」

俺はここまで信用されてないのか・・・・





「クソッ!なぜあのレンで、俺様じゃないんだぁ!」

「『チルドレン』に相応しいのはジアレさ!」 「そうだそうだ!」

「良いことを思い付いたよ!ジアレ!」

「おう、何だ?」

「今日、レイナの家でパーティーがあるんだ。その帰り、つまり一番油断しているところでみんなでリンチさ!!」

「そいっつぁ!良いアイデアだ!




@sosososodirtyでツイッターやってます!

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