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令和御伽草子桃Taro

作者: 藤輝

むかしむかしでもない、そうだなぁ、これは今年の四月頃かねぇ。

ある日じいさんとばあさんは桃が食べたくなり、Amaz〇nで注文した桃が自宅に届いた。ばあさんはその桃の大きさに驚くが、気にせずに切るとなんと中から赤ん坊が。これが桃Taroの誕生である。

さてこの桃Taro、小学生では真っ直ぐ育つが中学生になり突然グレる。なぜならその名前のせい。今の時代桃Taroはキツい。キツすぎる。俗に言うキラキラネームというものだ。まぁキツい。

そんなことよりも、今年18になる桃Taro。今何をしているかというと、家にひきこもりゲーム。寝て起きて飯食ってゲームして飯食って寝る。

一方その頃、自宅リビングでは家族会議が始まった。


「なぁじいさんや、Taroそろそろヤバくね?」


「ヤバい。」


仕方が無いので就職先を探すじいさんばあさん。だが見つからない。

そんなこんなである日。


「Taroや、降りてこい。」


Taro無視。

そこでキレたばあさん。Taroの部屋に突撃。ネトゲをしてたTaroを引きずり出すと一言。


「鬼をぶっころしてくるまで帰ってくんな。」


かくして桃Taro。鬼ヶ島まで徒歩で旅に出ることになったのである。


「もーもたろさんももたろさん」


歌を歌いながら歩いていると、目の前には犬が一匹。

そこで桃Taro。出る前に親から渡されたきびだんご…ではなく、タピオカである。流行りに乗って作ってみたがじいさんが湯でる時間を間違え、デュルンデュルンのニュルンニュルンになったタピオカである。それを犬に差し出す。

だが犬は興味なし。

もっと数を増やしてみる。

でも犬は興味なし。

仕方がないので、ファ〇マに行きドッグフードを買い手懐ける。犬一匹と桃Taroの冒険。不安がいっぱいである。

その後、猿にはバナナ、キジには何を与えたらいいのかわからなかったので雑草を食わせ手懐ける。

そうこうしているうちに、鬼ヶ島こと鬼塚コーポレーションに到着である。鬼塚コーポレーションとは所謂闇金だ。

自動ドアに入ってすぐ。


「すみません。お客様、動物はちょっと…」


桃Taroガン無視。仕方なく警備員が犬猿キジを捕獲し、外に出す。それすら無視して進むと、あっさり社長室まで到着。

中では金を前にして、鬼塚と秘書が


「グヘヘ、金はたまらねぇ。」


「ゲヘヘ、悪いことして稼ぐ金で食う飯は美味いか。」


「グヘヘ、美味い。」


などというなんともゲスな会話。

そこへ桃Taro


「おいお前ら、その金を渡せ。」


丸腰桃Taroさん仲間もいない中で犯罪者にジョブチェンジ。


「グヘヘ、なんだお前。そんなひょろひょろな体の男が1人で何しに来た。」


そこで桃Taro激怒し、持っていたタピオカを床へ投げる。

―ペチョペチョ


「うるせぇ。俺だって家で寝ていたいんだよ。じいさんとばあさんに使えもしないタピオカを持たされて家を放り出されるし、お供は使えないし、ふざけんな。」


「お、おう…大変だったな…」


鬼塚ドン引き


「同情するなら金をよこせ。」


「まぁいい。俺には関係ないことだ。そうだな、俺に勝てたらその金をやるよ。グヘヘ、行くぜ。」


そう言うと共に鬼塚は拳を握り桃Taroに殴りかかる。だが、運が悪かった。鬼塚が踏ん張るために足を着いたところには先程投げたタピオカ散乱していた。更に運が悪いことに、デュルンデュルンでニュルンニュルンのタピオカはツルツルの床で滑りを増したため、鬼塚を転倒させ、頭を強打させた。

―ゴンッ

鬼塚再起不能。


「「えぇ…」」


それを見ていた桃Taroと鬼塚の秘書ドン引き。

だが桃Taro、どんな形であれ勝負に勝った。


「…これ貰っていきますね。」


「どうぞ…」


かくして桃Taro、大金を手に胸を張って帰宅することが出来ましたとさ、めでたしめでたし。

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