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ハロウィンの恐怖3

なあなあで戻ってきたイチとロクはブンちゃんの神社前でブンちゃんに叱られているみぃこを見つけた。


「お、ブンちゃん珍しく怒ってるぞ」

「ほんとだ」

イチとロクはそうっと鳥居付近に近づいた。


「みぃこ!やりすぎだ!!ちっとは考えろ!オカルトになったらどうすんだよ。ちょっと脅かしときゃあいいんだ!」

ブンちゃんはみぃこを正座させてわかりやすく叱っていた。

みぃこはしゅんと下を向いたままうなだれている。


「ま、まあまあブン様、落ち着いて」

あんまりにブンちゃんが声を荒げているのでロクが間に入った。


「ロク、イチ……帰ってきたか」

「そんなに怒んなよ。人形相手だろ?それにあいつら、あれくらいしないと効かなかったぜ。ほんとだ!特に男の方はな!」

イチが弁明に入る。


「……ふーむ……まあ、そんなに悪ガキなら仕方ないか……?高天原の連中がこんなくだらんことで俺を罪にするかって言ったらよく考えたらないか……」

ブンちゃんは自己解決するとみぃこをちらりと見た。


「うー……ちなみにー、そのイタズラをしたのは少年の方でー……少女は関係なかった……っていうー」

みぃこは涙目で小さく呟いた。


「で、お前は少女に乱暴したんだな!!」

ブンちゃんは再びみぃこを叱る体勢になった。


「ブンちゃん、ブンちゃん、でもよ、みぃこのおかげで二人の仲が縮まったんだぜ?」

イチはまた助け船を出す。


「うーん……じゃあ、そういう雰囲気なら……ま、いっか!」

ブンちゃんは面倒くさくなりすぐに考えるのをやめた。

これは彼の長所であり短所である。


「あー、そうそう、そういえばさ、ブンちゃん、みぃこなんだけどさ、ちょっと変わってんじゃん?」

「お前ら全員変わってるけどな。なんだよ?」

イチの言葉にブンちゃんは首を傾げた。


「みぃこ、『誰の所有物』の人形なんだよ」

「そんなこと聞いてどうすんだよ。お前達だってどこの人間の所有物か言わねーだろ?」

「……ま、まあ……そうだけどな」

ブンちゃんの言葉にイチは詰まった。


「メーカーとかシリーズとかもわからない人形だから不思議に思っただけだよ。行こう、兄貴」

ロクはブンちゃんが言いたくないのだと判断し、話を終わらせた。


「まあ、どうでもいいけどな」

イチも深く詮索はせずにロクの後を追いかけて去っていった。

二人がいなくなってからブンちゃんはみぃこを横目で見やり、気まずそうに口を開いた。


「……あー、なんだ……その……寒くなってきたな……。みぃこ……社であったかい茶でも飲むか?」

「飲むー」

みぃこは少しだけ元気を取り戻すとブンちゃんと社へ向かった。


※※


俺はぼんやりと窓の外を仰いだ。

窓には朝の太陽と青い空、鳥が「チチチ……」と鳴いて飛んでいく。恐ろしくのんびりとした朝だ。俺が早く目覚めちまっただけだが。


「朝か……」

よく思えば今朝は何をしたのか思い出せない。たぶん、いつも通りに朝飯を食べて歯を磨いて制服に着替えて登校したはずだ。


だから今、教室の自分の椅子に座っている。

だが、昨日の夢が衝撃的すぎて朝の事がすべて抜けてしまった。


……イタズラを神社にしたからか?

いやいや、あの神社はそんな厳かなヤツじゃない……。

……でも、もし……俺のせいではるかになんかあったら……。

……ほら、よくあるじゃないか。予言のようなものが……。


「おっはよー!」

俺が戸惑っているとやたらと気分が上がっているはるかが顔を赤く染めながら俺の机までやってきた。


「おっはよー!」

「あ、おはよ……」

俺は本当に情けない声で挨拶をした。


「あれ!?なんで?元気ないじゃん!?」

「てか、お前はなんで朝から元気なんだよ……」

「いやね、昨日の夢がすごく衝撃的だったからかなー!!」

「っ!!」

俺は夢という単語に顔を青ざめさせた。


……まさか……はるかにまで予言の夢が……。


「それがね、もー、超興奮で!ヤバイ状態のあたしをさ、リュウセイが超かっこよく助けたわけ!最高の目覚めだった!男だったなあ……リュウセイ……」

頬を赤く染めるはるかに青い顔の俺。


「カボチャのオバケがね、こうガーン!と現れてさ!そんで……」

俺は聞き流している内にさらに青くなった。


……そりゃあ、俺が見た夢じゃねーか……。

……やっぱりなんかのタタリ……。


そこまで思ってから俺は慌てて「お人形ランド!」に行くデートプランをはるかに伝える。

神社にあやまりに行きたいなんてはるかの前でカッコ悪くて言えねーじゃん。


それにはるかは人形好きだけど、俺はあんまり好きじゃない。

俺だけあそこに行くのもなんか気持ちわりぃし、デートのついでが一番バレないしかっこいい。


「わあ!やったー!じゃあまた行こうね!!いつにする?」

はるかは予想通り喜んでくれた。


……ふぅ……これであの神社にこっそり謝罪の紙を入れればオッケーだな……。

……くっそー!かっこわりぃ。俺。

もうやらねー!ぜってーこんなことやらねぇ!

……でも、はるかがさらに俺に惚れてくれたってのはいいな……。

じゃあ、言葉は二つだ。


「ごめんとありがとう……」

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