5章 新生ギルド
ジャンル別日間40位になりました。応援して下さった方ありがとうございました。
まさか自分がランクイン出来るとは思ってませんでした。ふう、目標達成です。今晩すき焼きです。
どういう訳だか知らないが、ギルドマスターになった俺達は、取りあえずプレハブ住宅から、冒険者ギルドの3階に引っ越した。前のギルマスが貯めこんでいた趣味の悪い物は全て売り払って孤児院に寄付した。3階全部がギルマスの物らしいので、応接室の他に4部屋もあった。俺と魔王が使っても2部屋余るので2部屋は物置にすることにした。
「ギルドマスター。おはようございます。」
「やあ、おはよう。」
「では、初日ですので職員に挨拶をお願いします。」
「今日から君たちのギルマスになった、俺は厳しいから覚悟するように!いいか!」
「「「はい。」」」
「では、今日からこのギルドは週休2日にする。必ず休む様に!以上だ!解散!」
このギルドは王国に10あるギルドの中で最低なんだそうだ。給料も10有るギルドの中で最低、休みも最低、月に1回しか無いのだそうだ。ついでに前のギルマスはセクハラ親父で毎日受付嬢の尻を撫でまわしていたらしい。仲のいい受付嬢のエレンに聞いたのだから間違いない。
「よう、エレンこのギルドってそんなに駄目なのか?」
「はい、ダントツでカスです。なにせトップ冒険者がBランクですから。笑っちゃいますね。」
「他所は凄いのか?」
「1番のギルドはAランク冒険者がゴロゴロいますよ。冒険者トーナメント10連覇ですから。」
「へ~、トップになったら何か良い事でも有るのか?」
「国からの補助金が沢山でます。因みにうちはゼロですね。カスですから。」
ここは近くの森にゴブリンとオークしか居ないので初心者しか居ないのだそうだ、少し強くなると次のランクのギルドに皆行くらしい。やはり、冒険者が育つには中位の強さの魔獣が沢山いないと駄目らしい。
「でもその割には、受付嬢多いよな?」
「ここは田舎だから若い女性が働ける所が他にないんです。ですからお給料が安くても、セクハラ親父が いても我慢してました。」
「なんか切ない現実だな。」
俺はここが駄目ギルドだったので安心した。一番下なら好きにしても良いはずだ。いや一番下で無くても勿論好きにするつもりなのだが。
「それじゃあ金稼がないといけないな。給料上げるには収入が必要だ。」
「それが出来れば苦労しませんよギルマス。」
「俺に任せろ。小銭集めは得意なんだ。」
「じゃあこれ、緊急クエスト。初心者優先な。」
「な!何ですかこれは!」
「嫌か?」
「嫌じゃないですけど。良いんですか?」
「いいから、いいから俺が許可する。」
俺はギルドの訓練場を大浴場に造り変えた、どうせ誰も訓練しないし有っても役に立ってないからだ。それに俺は毎日風呂に入りたいのだ。そして風呂は足が延ばせなくてはいけない。これだけは絶対に譲れないし譲らないのだ。緊急クエストで初心者に材料を集めさせ。更に工事もやらせたのだ。土魔法の使い手達は非常に役にたった。
「ふ~、いい気持だ。」
「我も気持ちイイ~。」
「しかし、流石魔王だ、これだけの水を一瞬でお湯に変えるとは凄い魔力だな!」
「我にかかればこの位簡単なのだ。」
「ほれ魔王。これが風呂の醍醐味だぞ!」
「うほ~!から揚げとビールではないか!」
「わははは、風呂からあがったら一緒に狩りをしようぜ!」
魔王は流石魔王だった。20人が一度に入れる大浴場の水を一瞬でお湯に変えたのだ。魔王の必殺技の炎熱地獄ファイアーとか言う大技らしい。人が食らえば消し炭になるらしいが、今は風呂を沸かすために使っている。本人も人を燃やすよりよっぽど気持ち良いと満足してるので問題ない。
「あ~、いたいた。ギルマス~!」
「わ!なんだお前ら、ここは男湯だぞ!」
ギルドの受付嬢が腰にタオルを巻いただけの姿で小走りにやって来る。5人の胸が揺れまくっている、エリカがやはり一番大きいそして可愛い小さな乳首が・・いや違うそうじゃない。何故男湯に入って来るんだ女湯もちゃんとお湯にしてるのに。
「ギルマス~、シャンプーの使い方がわからへん。」
「目が痛いの!」
「何だそんな事か。よし教えてやるから。皆湯船の横に座れ。」
「お湯を頭にかけるから、皆下を向いて目をつぶれ。」
俺は彼女達の頭に順番にお湯を掛けてゆく。そう、見放題だ。いや違う、正しい異文化について親切に指 導しているだけだ。
「次はシャンプーを頭にかけるから、髪を洗えよ。シャンプーが目に入ると痛いから、目は開けないよう にな。髪を洗うのに慣れたら、開けたままでも洗えるようになるから。」
「は~い。マスター。」
15歳から20歳までの美人や美少女が並んで髪を洗っている姿を見るのは中々壮観だ。腕を動かすと揺れるのだ。いや駄目だ、今はそんな事を考えてはいかんのだ。既に大変な事になっているのだ。でもこれは男の本能だから仕方ない、触らなければ問題ない。いや違う・・・何だか訳が分からなくなってきた。
「それじゃ、泡を流すから下向いて。目を瞑ってくれ。」
順番に彼女達にお湯をかけて頭の泡を洗い流してゆく。最後のチャンスなので色々ガン見する。成程下の色は髪の毛の色と同じか・・いや駄目だ今は絶対考えちゃ駄目だ。彼女達が目を開けたら大変な事になってしまう。俺のギルマスとしてのプライドが・・・。
「それじゃ、俺は風呂につかるから、後は勝手にやってくれ。」
「ありがとう、マスター!」
皆にバレる前に湯船に入れたはずだ。彼女達は又5人で女湯の方へ帰って行った。風呂を造って良かったと心から思った。
「おい、魔王。人間の女見て何とも思わないのか?」
「種族が違うから何とも思わんな。お主は雌のサルや犬が風呂に入ってると何か思うのか?」
「思わないな確かに。人間の中には何か思う変態が居るらしいが。俺は正常だ。」
結局趣味で造った風呂に俺達は大満足だった。独り占めする趣味はないので、冒険者登録している人間は入浴料500ゴールドで入れるようにした。この世界では風呂は大層珍しく高級品扱いだったので好評だった。ギルド職員は無料にした、受付嬢には何時も綺麗でいてもらいたいからだ。解体作業員達にも大変喜ばれた。そして、湯船に水を汲んだり掃除をするのはクエストを受けるのが難しい小さな子供達だ。クエスト後には無料で入浴出来るようにした。
「マスター大変です。」
「どうした?」
「風呂が大好評で、冒険者登録する一般人が増えてます!」
俺の風呂は冒険者しか入浴出来ないので、風呂に入りたい一般人が冒険者登録しているそうだ。登録料が5000ゴールドなので登録してもらうとギルドが儲かるのだ。今では会員が150名から500名に増えたそうだ。それに伴って風呂の収益も上がってるらしい。
「それと、併設した食堂が大繁盛してます!」
「風呂上がりの冒険者と、外部の人が並んで大変な事になってます。」
風呂上がりにビールと枝豆が食いたかったので、風呂の隣に居酒屋を造ったのだ。メニューはビールとワイン、つまみは枝豆とフライドポテト。魔王が飯も食いたいと言うので牛丼とカレーもメニューに加えたのだ、これが冒険者に好評で風呂上がりに皆食って行く様になったのだ。冒険者だけだと客が少ないので居酒屋は一般人にも開放した。そして、従業員は冒険者の旦那を無くして生活に困っていた未亡人を5人程雇ったのだ。人助けで始めたのだが今では稼ぎ頭になっていた。
「マスター、このギルドは凄く良いギルドになりましたね。」
「そうか?」
「はい、私たち皆マスターについて行きますから!」
俺のギルドは本来の意味ではない、風呂や居酒屋というので有名になって行った。うちの冒険者は皆清潔で有名になって行った。ギルドランクは最低だが、受付嬢と職員の清潔感はこの国で一番になった。今では働きたい職場ナンバーワンなのだ。