13章 決勝戦
勇者に負けて帰ろうとしていたが失敗した俺達は、とうとう決勝に来てしまった。目立ちたくないとか思っていたが所詮無理な話だし。優勝すれば賭けの金1億ゴールドが入るので、実力を隠すのはやめた。
「凄いじゃない、決勝進出おめでとう!」
またアンジェラが来ていた、俺達が飯を食っていると当然の様にやって来る。
「アンジェラさん見たっすか?俺の強さ。」
「見たわよ、凄く強いじゃない。」
「俺はやる時は、やる男っすよ。お買い得ッス!ただ今、彼女大募集中ッス。」
「こういう時は黙ってた方がカッコ良いんだぞレビン。」
「でも誰も褒めてくれね~から、自分で言うしかね~ッス!」
馬鹿正直にレビンが答える。良い男なんだが正直すぎて可哀そうだ。聖騎士時代も馬鹿正直に勤めていたみたいだし、大人の女がレビンを上手く転がしてくれれば良いんだがな。
「次はいよいよ決勝ね。今度の相手は強いわよ。」
「まあ、相手が誰でも関係ないがな。」
「流石おっちゃん、楽しそうだな!」
「本当!自分達だけで楽しんでズルいですわ。」
「チチ!ヒメ!来たのか。」
「当たり前だ、レビンだけ楽しそうじゃねーか。うち等も混ぜろよ。」
レビンが俺の転送先に助っ人に送られたと聞いて毎日女神に嫌味を言い続けていたらしい。とうとう女神が折れて二人ともこちらに来る事になったそうだ。
「はは、お前達らしいや。何か食べるか?」
「すき焼き!」
「相変わらずだな~、お前黙ってたら可愛いのにな。」
「ほっとけオッサン!」
「私はどうですの?」
「ヒメは美人だよな~。」
「まあ口だけは相変わらず上手いですわね。泣いて頼むならやれせて上げますわよ!」
「おっさん、ウチは何時でもやらせてやるぜ!」
「お前らはしたないぞ!若い女性がなんてことを・・昔はあんなに小さくて可愛かったのに~。」
「くそ、リア充野郎!砕け散れば良いのに!」
チチとヒメが来たので俄然やる気が出て来る。この子達が俺のやる気の源なのだ。自分の事や他の事は正直どうでも良いのが俺だった。
「そんじゃ、サクッと勝に行くか。」
「おう、おっさん負けるなよ!あたい達はここで飯食ってるからな。」
「チチ先生、行ってきます。」
「おうレビン、負けたらどうなるか分かってるな。」
「はい!死んでも勝ちます!」
「ぐっふっふ、良い心掛けだ。」
俺の可愛い娘たちが変な方向に育ってしまった。チチは元々口が悪かったが最近は悪党の親玉みたいになってしまった。一体どこでこんな言葉遣いを覚えたのだろう、やはり俺が映画とかアニメとか見せたのが悪かったのか。二人とも正義の味方には見向きもせず悪人の方に興味を持ってしまったのだ。まあ、映画やアニメの主人公より悪役の方が個性的で面白いからしょうがないのかも知れない。
ー闘技場・決勝ー
「へ~、流石に客が多いな。1万人位見に来てるッスよ。」
「娯楽が少ないからな。」
「本気出して良いのか?勇者よ。」
「それは止めろ、誰も殺すな。ただの遊びだからな。」
今回はチチやヒメが来てるので俺も戦う事にする。あの2人にはいい所を見せないと後からしつこく言われるのだ。他の人間に何を言われても全然気にならないが、あの2人に言われると気になるのだ。
「決勝戦、試合開始!」
「ウオオォ~!!!!」
またレビンが馬鹿みたいに突っ込んで行く、だが今回は俺も一緒に突撃する。くそ!レビン速い!敵の魔導士からの攻撃がレビンに集中する。
どがん!ばかん!
「痛て!アチっ!」
レビンが順調に攻撃を食らっている隙に、レビンの陰から出た俺が攻撃を開始する。45口径による攻撃だ。魔導士の膝に3発、ヒーラーの膝に3発。計6発を2秒で撃ち弾倉交換。膝がちぎれそうな二人は地面を転げまわっている。そして2秒後弾倉交換を終え再び射撃開始。残りの3人の膝に2発づつ打ち込んで試合終了。全部で10秒で終わりだ。
「試合終了!勝者フリーダム!」
「我輩、何もしてない!」
「ひで~!俺は弾除けかよ!」
魔王とレビンが文句を言っているが聞こえないふりをする。俺は大人だから都合の悪い事は聞こえないのだ。会場はあっけにとられていた、今まで何もしてない俺が動いたからか、それとも45口径の轟音を聞いたせいなのかは分からない。とにかく俺達は優勝したわけだ。その後表彰式が有り優勝賞金や、Aランクのタグ何かを貰った。面倒なので全部レビンに表彰台に取りに行かせた。レビンは目立つのが嬉しいらしくスキップしながら受賞していた。喜んでもらえて何よりだ。
「おっさん!相変わらず手が速え~な!」
「おい、チチその言い方は止めろ!何か違う感じがするだろ!銃魔法が速いって言え!」
「我輩腹減った!」
「お前はそれしか言わんのか!」
こうして俺達は大会にあっけなく優勝しAランクになってしまった。帰りは金もどっさり有るのでランクルを召喚して5人でのんびり帰って来た。
「さて帰ったらどうするかな?ヒメ?」
「好きにしたら良いですわ。」
「世界を救わなくて良いのか?」
「この世界沢山勇者がいるから、おじ様が頑張らなくても良いと思いますわ。」
「えっ、そうなの。」
聞けば、チチとヒメが俺達を探している間に結構な数の勇者がいたそうだ。この世界の神が手当たり次第に勇者を召喚してるらしい。
「そんなにいるなら、俺一人位さぼっても良いよな。」
「我輩もさぼるのだ。魔王だからな!」
「うち達ものんびりしたい。」
「俺は嫁探ししたいッス。正直世界なんかどうでも良いッス!」
皆の意見が一致したので、俺達はさぼって遊ぶことにした。多数決に従うのが民主主義なので仕方ないよな。




