罰ゲーム
ドンっと机の上に液体が満ちたコップが置かれる。
「……優希ちゃんこれは?」
「私特性ウーロン茶よ」
彼女は素敵な笑みを浮かべた。
「この物体エックスはウーロン茶だったんですね、うわぁ……」
「何よその反応は」
「いや無理もないだろ」
『ザ劇物』といわんばかりのそれは異臭を放っている。
いくら罰ゲームとはいえやり過ぎだろう……。
「優希、因みにこれ、何が入ってる?」
「え、唐辛子とタバスコとお酢とバニラエッセンスと塩ぐらいかな」
「ぐらいってレベルじゃねーだろ!」
「だって罰ゲームだし」
そう言われ俺は返す言葉がなくなってしまった。
これは俺自身が招いてしまった産物。優希にメイド服を着ろと強要しなければ、じゃんけんで決めようと言わなければこんなことにはならなかったのだ。
「あ、この特製ウーロン茶の名前は『撃!ウーロン茶』だから!」
「なんだそのバイアグラみたいなネーミング、ごめんなさい叩かないでください」
彼女は笑顔を浮かべ、殴ろうとしていた手で俺にグラスを握らせた。
もう後には引けない。
対人兵器ように作られたウーロン茶を飲みながらこれから始まる籠城戦に思いを馳せていた。
部活で先輩の誤植から生まれた作品です。
撃ウーロン茶が使いたかっただけなんです……。