私の事だから『私事』ね?
「……んで、仕事ってどんなやつだ?」
「うむ、実は最近ここら辺でペットの盗難が多いのじゃ。」
はいはいペットね……………………ペット?
「実はじゃな……ゴニョゴニョ………………。」
…………………………………………………………
「……なんでやねん!!」
なぜいきなりつっこんだかって?
…つっこむしかないさ。
この仕事ハッキングなんか欠片も無いし、金の銅像もまっったく関係ない。
いや……ね?俺……ドロボウってもっとハデに凄い技とか使っちゃってカッコ良く盗んでいくようなやつイメージしてたんだよ。
怪盗○ッドとか、ル○ン三世みたいなね?
………ペットを奪うって………何事?
「それがドロボウのやる仕事かよ!!」
「まぁまぁ、最後まで聞くのじゃ。ゴニョゴニョ………………。」
◆□◆□
まぁ……大体は分かった。
「要するに、盗まれたペットを盗みかえして、元の飼い主に渡せってことだな?」
「そうじゃ。そのペットを盗まれたやつはワシの旧友でな。」
まさかの私事……?
「私事ではないのじゃ!!もうあいつがペットを盗られてからそれはそれは毎日可愛そうで可愛そうでもうワシはいてもたってもいられなくなって――」
「あー!!分かった分かった!!やりゃいんだろ!?やりゃ!!」
「おお!!流石盗一!!カッコ良く見えますぞ!!」
「や……やっぱりそうか?自分でも最近――」
「嘘じゃ。」
ガスッ
「なんで殴られるの覚悟でそうゆう事するんだよ!!」
「ワシの数少ない髪が抜けてしまうじゃろが!!」
質問の答えになってねぇ……
「とりあえず地図を渡すからの、これを見て猫犬大好さん家に行っとくれ」
「……いかにもペット好きって感じの名前だな。」
「なんじゃ、不満かの?」
「不満だよ!!俺のすばらしい想像を返してくれ!!」
「盗一の初仕事にハッキングなんか頼めるわけ無いじゃろ。」
「う……………。」
まぁ……最初だしな……。
みんなそんなもんなのかな……?
「ワシの初仕事は黄金だったがの。」
「……………この糞ハゲ!!」
こうして俺の最初の初仕事が始まった……。
「最後の心の声おかしくないかの?」
「なにがだよ?」
「最初だから初仕事って言うんじゃろ?」
「あぁ。」
「最初の初仕事って……」
ボカン!!
……………
全部抜けてしまえ!!