修行?なにそれ、美味しいの?
ダダダダダダダダダダダ……
「待つんじゃ~!!」
「来んじゃねーよこのくそハゲじじぃ~!!」
別にハゲじゃないけど薄毛のじじぃ、
お前人生何があった!!って言いたくなるような垂れ下がった顔のじじぃ、
から逃げる俺、
「まだ修行が終わっとらんじゃろーが!!」
ハゲはほっといて、逃げてる途中だけどとりあえずいろいろ説明するゎ
俺の名前は石川盗一
年は15、元気一杯な中学3年生だ。
石川家の家系は、男も女も同じ職業に就かなければならない伝統がある。
ちょっと頭の回る読者ならすぐ分かるよな?
そう、俺の職業は……………
『ドロボウ』だ。
……………………あれ?
もしかして分かんなかった?
名前見ればすぐ分かるべ?
だってあの大ドロボウ【石川五右衛門】と同じ名字だし、
何より、このいかにも『盗むぜ!!』的なヘンテコな名前、【盗一】………
……まぁ、分かんねぇか
話を戻そう。
なぜ俺がハゲじじぃに追っかけられていたかと言うと……。
「盗一~!!止まるんじゃ~!!」
「うるせ~ハゲ!!古臭いんだよ!!」
「古臭いとはなんじゃ!!」
「古臭いだろ!!」
「お前がいつまでたっても盗みに行かんからじゃろが!!」
「うるせ~超ハゲ!!俺はダチとの遊びで忙しいんだよ!!」
たかが『ドロボウ』のために修行?
ありえねぇし。
じじぃがバリバリ現役の時代とは違うんだッつーの。
平成人なめんな超超超ハゲ!!
……つー訳でハゲから逃げてるっていうね。
「待つんじゃー!!」
「だから待たねぇって言ってんだろ!!」
やべぇ……ちょっと疲れてきた……
ハゲじじぃスタミナありすぎだろ――――
「ワシがスタミナがあるんでは無い!!盗一が日々の練習を怠っているせいじゃ!!」
「んなバカな!!」
嘘だろ……心読まれた……?
「このぐらい普通じゃ盗一!!」
「う…うるせぇ超超超超ハゲ!!そんなのドロボウの覚える技じゃねぇだろ!!」
「普通じゃ普通!!」
「てか第一俺に練習なんかいらねぇんだよ!!」
「何を言うか!!このままじゃ妹様といい勝負じゃな!!、余程腕に自信がないんじゃな!!」
「うるせ~超超超超超超ハゲ!!俺は練習より本番に強いんだよ!!」
ザッ……
「今……言いましたな?」
「……え?」
あ、やな予感。
「……よろしい!!ならば本当に本番に強い所を見せてみるのじゃ!!」
「……………どゆこと?」
え…?こーいうノリってさぁ…まさか……ねぇ。
「盗一よ!!初盗みの始まりじゃ!!」
あ、やっぱそうなっちゃいます?