なぜ私が責められなければならないのですか?
相変わらず捻くれております
「・・・私がいつもこんなにも責められなければならないのでしょうか?」
とソファに優雅に座った侯爵令嬢は心底わからないという様に話し出した。
彼女はこの国の皇太子殿下の婚約者ゆくゆくは国母となる身その彼女が今回の事件の原因だとのことなのでその事情を聞くために侯爵邸へ審問官である私が来た。
侯爵令嬢は自分は悲しいという様に丁度お茶の時間だからとお茶と菓子と軽食も出されてた。
「どうぞ」という姿は雨に濡れた花の様であった。
「・・・私はあの者達が課せられた・・・義務を果たさなかったから・・・忠告しただけです。」
とでもなんでああなってしまったのかという様にお茶を啜った
まずは聖女とのことを聞こう
「・・・あの者は『聖女』という神からの聖なる称号に見合った行いをして居ましたが、・・・正直文句ばかりでした。」
だが彼女は聖女としての仕事はして居たと聞いて居る。
聖女としての仕事、病人の治療、王都の結界への霊力補充、魔獣の討伐補助、淀の浄化などの仕事をこなして居たそうだが・・・
「・・・仕事は出来て居たようですが、あの者は礼儀も知らずに目上の者に楯突いて、無礼な真似をして・・・聖女としてふさわしい行動が取れて取れて居なかった様です。」
確かに聖女は細かい宮廷マナーなどは拙いところは有ったそうだが、周囲の評価は
「粗野だが、こちらの事情も察して思いやりのある行動をしてくれるので良い」との評価だった。
「・・・平民だから、礼儀を知らないと?だから見逃せと?皆様がおっしゃるので、
だから・・・せめて・・・目上の者に話しかけようとするのをやめさせようとしたのですが・・・言いたいことがあれば手続きを踏んで欲しいと、・・・注意したのに聖女様はやめようとしなかった。」
そう言えば、王太子殿下に対する態度が馴れ馴れしすぎるとの声があった。
聖女自身は「仕事を早く終わらせるため」と言って居たが、礼儀や公務の都合もあるから王太子殿下への対応は別のものを立てる様になったはずだ。
「聖女様はあんまり覚えてくれなくて・・・こちらが教えても覚えようと・・・しなかったのです」
聖女の担当教師からは基本的なマナーはすぐに覚えて応用できて居たと聞いたが、細かい作法はまだ覚えきれていないとのこと。
周囲の者は侯爵令嬢は細かい粗を見つけては聖女を詰っていた。と言われて居るが。
「・・・だからと厳しすぎたのかもしれません・・・でもあの程度の事が出来ないなんて・・・平民の方って・・・」
細かい作法の多い宮廷マナーは幼少時から習っても思切れるものでは無いし、情勢によっては変わってゆく。
聖女は他のものに任せてゆけば良いのでは?と提案したが、
「・・・だったら関わらなければ良いと?でも・・・あの者が寄って来るのです・・・」
まあ、令嬢自身への陳情だろうなと
「・・・ああして欲しい・・・こうして欲しいと懇願ばかりで・・・何も・・・」
貧民救済のための資金繰りや待遇改善ではなくあくまでも自分への行動の陳情だから、直接言った方が早いと考えた様だ。
平民の浅知恵だと言うが・・・
お茶を一口飲んで、皇太子殿下への対応を聞く
「・・・婚約者の皇子殿下にも厳しいと?・・・あの方はこの国の後継者・・・間違いがない様に注意するのは・・・当たり前ではありませんか?」
確かに国の行く末を左右する選択をしなければならないが、かと言ってお茶のカップの置き方にも注意するとはどうかと考えるが。
「・・・王に連なる者常に優雅でないと」
それもそうだが、
「・・・妾の忠告も聞かずに彼の方は勉強も政務もお茶会も・・・たいして参加せずに学友達とやらと遊んでばかりで・・・」
彼の学友は重臣候補ばかり、今の学生のうちに友好を深めるのは重要だ。
「学園でも剣術やらゲームばっかりで・・・勉強とかして居様で・・・」
成績不順は聞いたことがないし、優秀な方だと聞いて居る。
レポートなどの提出物は自分自身で書いたものを期限内に出して居るし、武術の及第点を取って居ると調べた。
「課題は出して居るし、成績も悪くはないと・・・あの方はこの国の後継者なのです・・・何事も・・・皆の上を行かなければ・・・」
学問、武術の成績は上位だと聞いて居る。殿下より上のものは居るが、殿下は文武両道でバランスよく優秀だ。
しかし学園一位じゃ無いからと殿下を捻って居るのを見たことのある者が居るそうだ。
どうかと考える。
「・・・それに公務と称して聖女様と一緒にいることが多いので『年頃の男女が一緒に行動するのははしたないですよ』と忠告を・・・」
王太子殿下自身、この国の淀みを消す「浄化部隊」の隊長だから聖女と接触は有るだろう。
だが、緊急が起こるだろうから人を介して居る暇はないと思われる。
それに殿下には親衛隊がついて居る聖女と二人きりになることはほとんどないし、聖女自身も避けて居る様だ。
殿下もこの国を守るための公務なのだから、真面目にやると思うが・・・
「だから、あんな事をおっしゃったのですか?」
と私は聞いた。侯爵令嬢は俯きながら
「・・・はい、王太子殿下は聖女様と結ばれたいんだと思います・・・」
「確かめたのですか?ご友人に尋ねたりとか?人を使って調べることも出来たでしょうに」
侯爵令嬢はゆっくりと
「いえ、最近の殿下は何かと理由をつけて私と顔を合わせようとしなかったので・・・」
私は手元の資料を見ながら言った。
「この時期王太子殿下は淀みの大量発声により浄化部隊での任務と王位継承についての公務で忙しかった様ですが・・・」
令嬢は疑わしいものを見る目で
「・・・手紙も何も下さらなかったので・・・」
私はため息をつきながら
「だからと言ってパーティーで吹聴するいや宣言する事は無いでしょう!聖女様がどう思われるのかわからないとは言わせませんよ」
令嬢は不思議そうに
「何故です?私は皆さんがそうおっしゃって居るから・・・」
「貴方は責任ある身だ自分の言ったことが他人からどう受け止められるかご存知のはずだ。」
と書類を見せた教会からの司令書だ。
「聖女は教会からの要請にしたがって動いていたのみ!下心などないのです。」
「ですが・・・皆さんが・・・「人の噂など当てになりません!そもそもこの婚約は王家との誓約があるキチンと話を通せなければならない!だからあんなことになったんだ!」
任務を果たした浄化部隊と聖女様を労う宴で侯爵令嬢は、壇上で衆目の面前で王太子殿下と聖女様二人を呼び出し
『王太子は聖女様と結ばれたいのでここで私から二人を祝福する』と宣言したのだ。
騒然とした。
そこで聖女が怒り狂ったのだ。
「ふざけんな!!仕事で一緒なだけなのに!!なんでそんな話になるんだよ!!変にくっつけようとするなんて!!ガキじゃないんだよ!!!」
と令嬢に掴み掛かろうとしたが、警護のものに押さえつけられたが、侯爵令嬢に罵詈雑言を浴びせ続けた。
他のものも「お考え直しを!」「間違いですよ!」と叫で居た。
王太子は震えながら
「・・・ちょうど良い・・・この婚約考えさせてもらう」と会場から去った。
怒りに震えて居たそうだ。
そして侯爵令嬢は婚約破棄されたのだ。
「今回のことは貴方が軽率に発言したせいです。もう貴方の居場所はこの国には無いでしょう。」
と私はカップを置いて立ち去った。
令嬢はそのまま俯いて居る
やっぱり分かって居ない様だった。
男女二人で居るだけでカップルにされるのは無理




