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商品番号005:『それでも空は青かった』

私は、スーパーでトマトがちょっと高くなったのを気にした。


カップ麺の味が変わったことにイラついた。


仕事の帰りにTikTokを見た。


駅の構内に平和な音楽が流れていた。


遠くの国で戦争が起きて人が大勢死んだらしい。


でも私は、


一度も、誰かの名前を知ろうとも思わなかった。


ある日、画面越しに泣いていた女の子が言った。


「もしも私が貴方のそばで泣いてても、きっとあなたに私は映らない」


彼女の目は、私を見ていた。


でも私は、


見なかった。スマホを閉じた。夕飯の支度をした。


夜、ベランダで空を見た。


澄んでいた。静かだった。


銃声は、なかった。


私は安心した。


世界のどこかで空が黒く焼けたとき、


君の空が青かったなら――


それは“幸運”じゃなく、“無関心”の恩恵かもしれない。

挿絵(By みてみん)

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