間話 夜の語り部、酒場の声 1
ここはラビスの冒険者組合に併設された酒場。
窓際のテーブル席にスキンヘッドの強面の男と痩せた人相の悪い男が酒を飲み交わしている。
「おう、聞いたか?あの噂よ」
「あん?ああ、二属性持ちが冒険者になったって話か?」
「おうよ。しかもまだガキなのにえれー高い階位らしいぞ」
「かー、羨ましい限りだぜ。いっちょ俺様が先輩冒険者の礼儀を教えてやるか」
「やめとけやめとけ。あのクズの二人組いただろ?」
「ああ、あの初心者イジメのボブとロブか?」
「おう。あいつら最近組合に来てないだろ?その二属性持ちに絡んで返り討ちにあったらしいぜ」
「かっはっは!いい気味だぜ。あいつら気に食わなかったんだ。ちょっと強えーからって威張り腐ってよ」
「それだけ噂のそいつがツエーってことだ。ちょっかい出すのはやめとけ」
「かー、悔しいがそうするわ」
「それでそいつがな。あの可愛い女の子の二人組知ってるだろ?」
「ああ、最近冒険者になった子達だよな。別嬪ちゃんだよなぁ」
「この間、そいつとパーティ組んだらしいぞ」
「クソが。力もあるモテ男かよ」
「まったくだぜ。こちとら男二人で寂しいもんだ」
「噂と言えばよ」
「おう、どうした?」
「最近日が登る時間になると街の外周を奇声上げながら走ってるガキがいるらしいぜ?」
「なんだよそれ?気味悪いな。女にでも振られて気でも狂ったか?」
「かっはっは!そうかもな」
「女はこえーな」
「ちげぇねぇ」
ラビスの夜は更けていく。




