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文学

神話

作者: 緋西 皐

GD.350、救世主が世界王となって350周期が過ぎた。

もはや人類は彼の存在を知る必要すらなくなり、彼は裏でひっそりと様々の国の政治を操っているようでもある。

彼が生まれてから2周期くらいは、表立って世界を動かし、讃えられていたが、今はもうすっかり落ち着いている。

ただ彼は存在している。


長い人類の歴史の中で、無数の国々に無数の王と政治と政策があった。

ただそのどれもは争いや混乱の中で滅亡を繰り返していた。

しかし人類はめげずに生存し、進歩し、発展をしていった。

何か目的があったわけでもなく。


この歴史、繁栄と滅亡、再生を繰り返し、人類は未来永劫に続かせていくしかない。

それこそがこの世界の法則であり、滅亡から抗おうとするのが国の思考であった。


――――彼が現れるまでは。


彼は天才であった。

だが、ただの天才ではない。世界の法則を簡潔かつ迅速に解明し、見つけ出し、応用できる。その分野を問わずに。

ゆえに人類は彼を神の子、とも呼んでいた。

もはや未来永劫の歴史の中でたった一人だけしか生まれるかもしれない天才だった。それは神に匹敵するほどである。


彼は政治家となり、国を大いに繁栄させた。

またそれだけでなく、世界のあらゆる問題を解決し、ほぼすべての国を救った。

この活躍により、彼は救世主として世界全ての政治を託された。

世界王となった。


ただ今、人類は彼の姿を知らない。

しかして必ずその存在は生きながらえている。

その中で人類は繁栄を目指している。


そうしたのは、あまりにも簡単すぎたからだろうか。

それとも――――人類に愛想が尽きたからか。

一世紀に一人の逸材はいても、人類すべてに一人の逸材はいるのだろうか。

いるとすれば、それは人類の全てを救える力があるのかもしれない。

そして、その力はもはや神のレベルではないのだろうか。


という空想。

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