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サイアスに救い出された私は無事に城へ戻ってきた。

セーラは療養中でまだ会えないけど、ケビンとクローケンは時間を作ってお見舞いに来てくれる。

バラバラにされた髪もすっかり綺麗に整えられた。短くてもルヴィアナの可愛さが損なわれることはなくて、さすが美幼女だと感心した。

コルトとその兄は無事に再会できたとクローケンが教えてくれた。

私の誘拐をした実行犯であるコルト兄はセーラを刺したこともあり、いくら弟が誘拐されていたとはいえ無罪にはならなかった。

しかし、コルトの身内が兄だけという事と私がサイアスに頼み込んだ事で誘拐に関しては罪を問われないそうだ。

セーラを刺した傷害に関しては罪を償わなくてはいけないが、コルトと離れ離れになったりすることは無いらしい。

サイアスなりに配慮してくれたのだとか。


それからリーアとサーリのその後についても語っておこう。

2人は主犯として厳しい罰を受けることになった。

リーアは酷い火傷を負ったまま、サーリも腕が欠損したまま、治療されることもなく鉱山で労働力として死ぬまで働かされるらしい。

鉱山での労働と聞いて白雪姫に出てくる小人の様にハイホーしながら楽しげに働くのを想像したのだが、そこは重罪人専門の死ぬよりキツイ労働環境なのだとか。

主に凶悪な男の犯罪者しか居ないらしく、そこに女が送られればどんな扱いをされるか想像するに難くない。

可哀相とは思わなかった。少なからず怨む気持ちがあったから。



気が付けば私が誘拐された事件から、あっという間に一週間たった日の夜。

久しぶりに夢の中にルヴィアナが現れた。

私は再会できたことが嬉しくて、ルヴィアナに色々話して聞かせた。さすがに事件のことは話せなかったけれど。

主にサイアスが娘にデレデレの父親になったことメインに話した。


『よかった、お父様もお姉さんも幸せそうで』


話を聞き終えたルヴィアナは嬉しそうに微笑む。


『これで私も安心して完全にゆみになれる』

『それって……』

『ルヴィアナだった記憶はもう完全に忘れちゃうと思う』


新しい人生を生きているのだからそれは仕方ないのかもしれないが、少し寂しい気がした。


『それじゃあ、もうこうして夢の中で会うことも……?』

『出来なくなるね』

『……そう』


凄く残念だ。

もしかしたらまた夢で会えるかもしれないと期待していたから。

落ち込む私を励ますようにルヴィアナは微笑む。


『前も言ったけど、私の体に入ったのがお姉さんで良かった。もし、また生まれ変われたら次はお姉さんの妹に産まれてみたいな』

『私もだよ、次はルヴィアナちゃんと家族になりたい』


ルヴィアナの言葉に頷くと彼女は嬉しそうに笑った。

その笑顔を最後に私は夢からさめた。


目を開けると、見慣れ始めた天井が見えた。

ふと寂しさが込み上げて、私は枕に顔を押し付けて少しだけ泣いた。


今回の夢の事はサイアスには何も伝えていないけれど、何かを感じ取っているのかどことなく寂しそうに見える。

もしかしたら彼の夢にもルヴィアナが現れたのだろうか?

そうだったらいいなと思う。今のサイアスならルヴィアナを、ちゃんと愛してあげられるはずだから。


そんな事を考えながらもはや日課となったサイアスの仕事見学をしていると、ケビンが慌てて執務室に飛び込んできた。


「旦那様大変です!」

「何だ騒々しい」


いつも冷静なケビンにしては珍しい。


「人間の国から、聖女がやってきました!」

「聖女、だと?」


この世界には聖女までいるのか。

しかし魔王がいる世界なのだからいてもおかしくないだろう。

私はサイアスと共に押し掛けてきたという聖女に会うことになった。

この世界で会うはじめての人間だ。

もしかしたら仲良くなれるかもと思い、聖女を待たせているという応接間に向かうとそこには淡いピンク色の髪をした美少女がいた。


「聖女というのは貴様か」


問うサイアスに美少女は目を輝かせた。


「きゃあぁ!あなたが魔王サイアス様ね!?『恋する聖女様LOVEみっくす』に出てくるラスボスで私の最推し!生で会えるなんて夢見たい!私と結婚してくださいっ!」


女の勘が言っている。

こいつは絶対に面倒くさいタイプの人間だと。そしておそらく転生者とかそういった類のものだと。


どうやら私はラスボス魔王の娘に憑依していたらしい。

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